キャリアの寡占と地上波による電波独占

値段が高い最大の理由は、大手キャリア3社の寡占と電波を地上波各局が独占してしまっていることだ。

キャリアについていえば、携帯電話料金の引き下げを議論する総務省の有識者検討会が「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」の初会合を10月19日に開き、年内に報告書をまとめ、大手3社にプランの見直しなどを促す方針だ。

また同月26日には第2回を開催、そこで提示された全国消費生活相談員協会の資料には、携帯電話の料金プランの選択肢等に関する苦情相談の概況が書かれている。

具体的には、大手携帯電話会社の料金プランは横並び状態で、データ利用量が少ない人でも容量の大きいデータ定額プランとなっていたり、電話はあまりかけないのでかけ放題は必要ないのにかけ放題プランしか選択できなかったりと消費者の利用実態に合った選択ができていない状況がうかがえるとしている。

また「不要な端末の抱き合わせ的な販売」や「販売店での説明不足」「キャッシュバックの条件の不明瞭」「利用者間の不公平」など、消費者からの様々な不満の声を提示ている。

「電波オークション」の必要性も指摘

地上波の周波数独占については、従前から「電波オークション」を求める声が根強い。放送局に割り当てられながら使われていない周波数帯(ホワイトスペース)が無駄になっているというのだ。

特に経済学者の池田信夫氏はブログなどで、「今UHF帯で空いている帯域をオークションにかけるだけでも、3兆円以上の国庫収入が入る」としたうえで、「主要国で周波数オークションをやっていないのは、日本だけ」と批判している。

大手キャリア3社による寡占も、民放各局が使っていない周波数帯を持ったままになっていることが理由ともいえる。電波が使えない以上、新規参入は難しいからだ。競争がなければサービスの質向上と、消費者にとって使いやすい価格の実現は困難だろう。

総務省がやめてしまった電波オークションを始めることが、携帯通信料引き下げの最初で最大の第一歩なのかもしれない。(ZUU online 編集部)