エコカー
(写真=Thinkstock/Getty Images)

「エコカー」で検索すると様々なサイトがヒットする。補助金や優遇税制の政策により、エコカーに乗っている方がトクであり、地球環境にとって良い活動をしているとのイメージを与えがちだ。だが、本当にエコカーに乗ることが環境負荷の最も少ない、正しい自動車の選択肢なのだろうか。


「走行中」の排ガスが少なければエコなのか?

そもそも、エコカーとはどんなクルマを指すのだろう。エコカーと一口に言っても、さまざまな種類が含まれている。

代表的なところでは、電気とガソリンを使い分けるなど複数の方式で動力を発生させるハイブリッド車が挙げられ、その他にも天然ガス車、電気自動車、燃料電池車などがある。

先日新型が発表されたばかりのトヨタ・プリウスに代表されるハイブリッド車は、内燃機関と電動機を併用する。高速で走行している際に電気を充電し、発進時など低速走行で電気を使用することで、低燃費を実現しているというわけだ。

日産・リーフや三菱・アイミーブなどの電気自動車は、排気ガスやCO2(二酸化炭素)の排出量はゼロである。中にはテスラのような、ハイパフォーマンスカーもあるので、その多様性における将来の光明が見えているようにも思える。

だが、SAの高速充電器など普及度合いは高まっているとはいえ、まだインフラ面で充実しているとは言いがたい。そのうえ、充電に時間がかかることなど、課題は残っているのが現状だ。

CO2は地球温暖化の原因となってしまうが、自動車においては、燃料を燃やすことで、CO2が排出されてしまう。地球上で毎日、10億台がCO2を排出していることを考えてみれば、CO2削減に向けた方向性は正しいといえる。


「製造過程」でCO2を撒き散らしてもエコと呼べるのか?

走行時のCO2は、一般的なガソリン車とプリウスを比べた場合は45%ほど、他の車種でも20~30%程度は削減が可能と見られる。やはり、最小限のガソリンしか燃焼しない仕組みからくるメリットである。

だが、走行時でなく「製造過程」で見てみると、CO2排出量はエコカーのほうが大きい。10年前よりもその数値は削減されてきたものの、走行時の排出量に比べ、製造時の排出量に関しては、機構が複雑なハイブリッド車の傾向として、CO2排出量を減らすことが難しいのが現状である。さらに、蓄電用のリチウムイオンバッテリーを製造する際にも、CO2排出の問題が存在している。

製造時に占めるCO2排出は、走行距離に関係なく必ずかかってしまうコストとなる。たとえば、エコカーを購入した者は20年、30年、40年と乗り続けることを法的に義務付けてしまえば、理屈のうえでは製造過程のCO2排出分をペイできるうえ、製造台数も激減するので、本当の意味で「環境に優しい」といえるかも知れない。

加えて、80年代・90年代の旧車であっても週末ドライバーで年間走行距離が少ないとなれば、むしろエコカーの買い換えを促進して製造過程でCO2を撒き散らすよりも、旧車を乗り続けたほうがずっと「環境に優しい」という見方だってできるだろう。