法人化を行うことも有効な方法

不動産投資を行う上で有効な方法の一つが法人を作り、その法人名義で投資を行う方法です。自身が社長になり、配偶者を役員にするのです。法人の所得は「所得=収入ー損金」という式で表されます。そしてこの損金の範囲が極めて広く認められていることが、法人化のメリットの一つです。法人における損金は、法人が行ったほぼ全ての活動に該当するという特徴があります。


役員報酬の支払いは節税になる

法人を設立することで、自身に対して役員報酬という形で給与を支払うことが出来ます。また、配偶者も役員にすれば、配偶者に対しても役員報酬を支払うことが出来るのです。

家族以外の外部の人間に対して給与を支払えば実際のキャッシュを使うことになりますが、家族に対して給与を支払えば、自分の家計からキャッシュが出ていくことはありません。この家族に対する給与は損金となるので、実際にはキャッシュが減っていないにも関わらず所得を減らし、税金を少なくすることが出来るのです。

もちろんこれらの給与に対しては、個人に対しての所得税と住民税が発生することになります。しかし給与所得控除を利用することが出来るため、法人としての節税と、個人としての節税を共に活用することが出来ます。さらに配偶者控除、扶養控除、医療費控除、社会保険料控除などの所得控除を活用することが出来れば、さらに節税効果は大きくなります。


退職金も損金になる

個人事業の場合、退職金は必要経費にすることは出来ません。一方法人の場合、会社の代表者や家族である従業員に対して支払った退職金は全額損金となります。

退職金は通常の給与と違い、退職所得控除という大きな金額を控除することが出来ます。退職金額から退職所得控除を差し引き、さらにその半額のみが退職所得となります。課税の対象が限定されているので、節税効果が大きいのです。


小規模企業共済を使った節税

退職金を活用する節税として活用したいのが小規模企業共済です。これは従業員20名以下の個人事業主、もしくは会社役員のみ加入できる、国がつくった退職金制度になります。

この共済は、毎月の掛け金が全額所得控除され、事業をやめた時、もしくは満65歳になった時に退職金として受け取ることが可能になっています。さらに、資金計画に不足が生じた場合、掛け金の範囲内で貸し付けを受け取ることが出来ます。流動性が高く、節税効果が高い制度と言うことが出来ます。


法人化のデメリット

不動産投資における法人化のデメリットとしては、交際費の一部が損金として認められない点があります。資本金1億円以下の法人の場合、600万円までの交際費は1割が損金として認められません。また確定申告や行政手続きなどの手間も、個人事業主に比べ法人では煩雑になっています。

法人化による節税のメリットがあるのは事業がある程度大きくなってから。法人化のタイミングは自身の投資状況と今後の投資計画を照らし合わせ、よく検討する必要があります。

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