リモートワークは広義では企業の機能を遠隔的に行うこと、より具体的には在宅で業務を行う柔軟な働き方と理解されている。ただし、国土交通省のリモートワーク人口実態調査によると、在宅型のリモートワーカー(ITを利用できる自宅兼事務所を除く自宅で、仕事を週1分以上行っている人)率は11.1%。リモートワーカーとして働く人々の数は720万人となっており、まだ普及の途中であるというのが現状だ。

Sansanの一歩先ゆく取り組み

リモートワークを早くから取り入れている代表的な企業が、Sansanだ。Sansanは名刺情報管理を起点に顧客管理、案件管理、マーケティング支援の機能を提供するユニークな企業で、新しい働き方についても積極的に取り入れている。

同社は2010年に、今回政府が消費者庁の移転を検討している徳島県神山町に、古民家を利用したサテライトオフィス「Sansan神山ラボ」を開設した。いまやここでの取り組みは、リモートワークそして地域活性化の成功事例として広く知られている。Sansanはウェブ上で遠隔会議等のサービスを提供するブイキューブ <3681> のシステムを利用してテレワークを行っている。

現在、Sansanではほぼ2週間ごとに社員の何人かがSansan神山ラボで仕事をし、本社に帰ってくるという循環型スタイルと、東京から移住した社員と現地採用の2名のエンジニアが働く常駐型スタイルを併用している。神山町内に整備されたブロードバンド回線と無線LANスポットによって、東京オフィスと全く同じ開発環境を実現している。