また、開発部隊だけではなく、オンラインでの営業活動も実現しているという。ワークペースは業務時間中東京本社とオンラインで常時接続し、すぐにコミュニケーションがとれるようになっている。

「生産性向上」などのリモートワークのメリット

Sansan神山ラボでの取り組みから、同社はリモートワークのメリットとして主に次の点を指摘している。

1.生産性の向上
静かな環境で集中できるので個人ワークの能率が上がった。ただしチームでのコミュニケーションについてはフェイス・ツーフェイスの方がスムースなので、オンラインとオフラインを織り交ぜてのコミュニケーションを図るのがポイントだという。

2.リモートワークのノウハウの蓄積
Sansan神山ラボと本社の双方で、リモートワークでいかに協働するか、例えばリモートでのスムースな会議の進め方などのノウハウが蓄積されていく。早くリモートワークを導入すれば、それだけ多くのノウハウが蓄積できる。

3.社員のリテンションと人材採用
会社を辞めなくても地方に移住し、自分に合ったワークスタイルを選べるようになることで、優秀な人材を会社に留めておけるようになる。また地方の優秀な人材を現地採用し、本社と同等の環境での業務ができるようになる。

4.新しい働き方へのトライと創造性の発揮
ビジネスでのイノベーションと同じように、働き方についてもイノベーションを起こすことができる。東京基準の既成概念を払拭し、固定概念が取り払われることでより創造性が発揮でき、ビジネスでのイノベーションにも繋げられる。

また、リモートワークを成功させるポイントの1つは、高度な自己管理と仕事の遂行能力だという。物理的な他の社員との接触やオフィス環境、業務時間などに縛りがなくなることはすなわち、業務遂行のたの自己管理が本社以上に求められることになる。また自分で仕事とプライベートの切り替えを行い、上手にワークライフバランスをとることも必要になってくる。