会話は聞き役に徹しよう
お店も決まり、いざ接待が始まった後も、細かな気配りは不可欠です。相手より先に到着しておくこと、上座・下座のルールにのっとって座ることなどは基本中の基本です。
ただし例外もあります。夜景の美しい店なら、上座でなくとも外の見える席をお勧めしましょう。その際は「こちらから夜景がよく見えますので」と、理由を伝えることも忘れずに。
会の冒頭では、「今回はお互いの親睦を深めるために……」など、軽く会合の目的を言いましょう。その後は自由に歓談しますが、ここでは聞き役に回ること。相手の得意分野を話題にし、質問するのが手堅い方法です。
「ゴルフのスライスで悩んでいるんですが」と助言を求めたり、相手の転勤歴から、「四国にいらしたんですか?観光の穴場ってありますか」などと地域ネタに持っていくと大いに盛り上がります。
一方、避けたほうが良いのは政治・宗教の話題。相手と考えが一致しないことがままあるからです。また、意外に盲点なのが学歴の話。相手よりも良い大学を出ていると気まずくなる可能性が高い話題です。相手が言及しないかぎり、こちらからは触れないほうが得策です。
このように、気持ちよく食べて、飲んで、語ってもらうことが接待の最重要ルール。店選びからコミュニケーションまで、この姿勢を一貫させることで、必ず記憶に残る接待を演出することができるでしょう。
大塚 寿(おおつか・ひさし)エマメイコーポレーション代表取締役
1962年、群馬県生まれ。中央大学経済学部国際経済学科卒業後、㈱リクルートを経て、アメリカ国際経営大学院(サンダーバード校)MBA取得。オーダーメイド型営業研修および法人営業コンサルティングを展開するエマメイコーポレーションを設立し、代表取締役に就任。著書に、『仕事をつくる全技術』(大和書房)など多数。
《取材・構成:林 加愛》(『 The 21 onlin e』2015年12月号より)
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