(写真=PIXTA)
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1月12日の日経平均株価は、海外株式市場の不安定な値動きや円高を受けて、479円安(▲2.71%)の1万7218円96銭で取引を終えた。東証株価指数(TOPIX)は、45.37ポイント安の1401.95と、ともに6営業日続落となった。

米国の年初の下げ幅も過去最大

2016年の世界の株式市場は波乱の幕開けとなっている。中国の12月の非製造業PMIが予想を大きく下回り中国景気減速懸念が強まり、さらに中国の元切り下げがその懸念を加速させた。原油が12年ぶりの安値をつけたこと、中東・北朝鮮の地政学リスクなども、投資家がリスク回避姿勢を強める原因となっている。先週末8日のNYダウは3日続落となり、週間の下げ幅は1078ドルの6.2%安とリーマン・ショック後の2008年10月以来、7年3カ月ぶりの大きさに達した。年初の下げとしては過去最大を記録している。

2016年第1週の主要市場の下げを比較すると、発信源の中国上海株総合指数が10.0%と最も下げが大きく、中国ウェイトが高いとされるドイツのDAX指数の下げが8.3%安とそれに続く。日経平均株価は、7.0%安。米ダウの6.2%安を上回る下げだ。日本の下げは、香港ハンセン指数の6.7%安、台湾加権指数の5.3%安、韓国KOSPI指数の3.8%安と比較してもアジアの中で際立っている。中国がサーキットブレーカーの一時停止となった時に、流動性のある日本株を売った側面があるだろう。

大発会と年間パフォーマンスの相関性は高い

「大発会は強い日が多い」「大発会が強いとその年は強い」と言うアノマリーが逆でも通用するかを2000年以降で検証してみた。
2000年以降で、大発会の勝率は11勝5敗。大発会の勝率は69%と「大発会は強い日が多い」というのはあながち間違いではなさそうである。

ただし、2014年以降の大発会は3年連続で下げている。大発会に上げた11回のうち、7回は年間パフォーマンスがプラス。「大発会が強いとその年が強い」確率は64%でそこそこの確率だ。逆に大発会が下げた5回のうち、年間でも下げたのは2001年と2008年の2回、逆に2013年、2014年、2015年は大発会が下げたのにもかかわらず年間ではプラスになっている。大発会が下げても年間で下げる確率は40%と高くはない。

ただ、気になるのが、大発会で下げて年間でも下げたのは、2001年のITバブル崩壊時と2008年のリーマンショック時という2つの象徴的な調整市場だったことだ。2001年は大発会が0.7%安で、年間が23.5%安。2008年は大発会が4.0%安で、年間が42.1%安だった。今年の大発会の下げは3.1%強と2008年の大発会以来8年ぶり過去2番目の大幅安だった。歴史的に見ても非常に厳しい市場であることを示唆している可能性がある。

日経平均年初来4日続落の95年も米利上げ局面だった

大発会以降6営業日連続安は史上初だが、4営業日連続安は1995年に経験している。この年は米国が利上げして円高となった。1994年に、日本の巨額の貿易黒字を背景に、米国のドル安容認観測が広がり、ドル安・円高の動きが進んだ。米国では雇用が堅調であり、景気の改善が明確となったため、FRBは2月の利上げに踏み切り1995年2月までの約1年間に7回利上げを行った。同期間に、フェデラルファンド(FF)レートの引き上げ幅は3%に達した。日本株は円高を嫌気して年央まで下げ一方となった。昨年から今年のFRBと為替の動きが重なるマーケットだった。

値上がり数/値下がり数のアノマリー

年初といえば、新年度のテーマを買いたくなるもの。とくに年末の休暇でポジションを縮小していれば普通は買いから入るものだ。目立たない記録だが、今年の大発会は、値下がり数が値上がり数を上回った。これは、2012年以来4年ぶり。 2000年以降の大発会で値下がり数が値上がり数を上回ったのは今年で5度目。 過去では2000年、2001年、2008年、2012年。このうち2012年を除いて日経平均の年間パフォーマンスはマイナスとなっている。

円高、外人の売りで大型株は冴えず賑わうのは新興市場かも

2015年の外人投資家は4年ぶりに年間で売り越しとなった。現物株が2509億円の売り越しで7年ぶり。現物と先物を合計すると3兆2818億円の売り越しで4年ぶり。為替についても、JPモルガンやメリルリンチが今年は3年ぶり、アベノミクスが始まって以来初の年間での円高予想を出している。まだ一年を語るには早計だが、アベノミクスのもう一段の推進、日銀の追加緩和などがないと苦しい市場となるかもしれない。

今年の大発会は、小幅ながらマザーズ市場はプラスだった。フィンテック、マイナンバー、自動運転関連を中心としたテーマ株物色の流れが賑わい、一時マザーズ指数は3%近く上げる場面もあった。日経平均の下げで、マザーズ銘柄の騰落数も値下がりの方が多かったが、物色意欲の強さを感じる市場だった。大発会の市場が今年を象徴するのなら小型株の年になるかもしれない。

平田和生
慶応大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。日本株トップセールストレーダーとして、鋭い市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスで国内外機関投資家、ヘッジファンドから高評価を得た。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。

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