(写真=PIXTA)
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2016年1月に「ジュニアNISA」が始まったが、もとの「NISA」制度は英国の「ISA」をモデルとしている。当然、「ジュニアNISA」についても、英国の「ジュニアISA」なるものが下敷きとしてある訳で、英国の様子を知ることは参考になるはずだ。

英国在住のフリーランスライターが実際に利用してみての体験談をまじえて制度を解説する。

英ジュニアISAは「預金型」と「株式型」の2種類

ジュニアISAとは英国在住の18歳以下の子供を対象に、英国政府が2011年に導入した非課税個人貯蓄口座だ。

税制年度2015-16年の税制優遇額は最高4080ポンド(約72万8024円)に設定されており、加入者(親権者)の所得制限なども一切ない。

受益者(子供)が16歳に達するまでは加入者が口座の管理を行うが、利子、配当、譲渡益等も含め、口座に預け入れられている全ての資産所有者は受益者となる。18歳に達した時点で加入者の管理権利は失効し、受益者は自らの意思で資金を引き出すか、あるいは大人用のISAに切り替えることが可能になる。

また16歳から18歳までに2年間は、ジュニアISAと成人ISAの両方を所有する権利が与えられている。

加入権は親権者のみに与えられているが、一端口座を開設した後は、祖父母や親類などが「贈与」として貯蓄に協力してくれるパターンも多い。また子供の誕生を機に口座を開設し、祝い金などを初回の拠出にあてるケースも一般的だ。

前身となったチャイルド・トラスト・ファンド(CTF)からジュニアISAへの移行が実施された当時、わずか5カ月間で7万を上回る加入者が総額1億1600万ドルを預け入れた。

ジュニアISAでは「預金型」と「株式型」を各1口座所有することができる。「預金型」は預け入れたお金が非課税対象となり、「株式型」は預け入れたお金が投資に回され、それによって得た利益が非課税対象となる。「株式型」では投資銘柄を選ぶ必要があるため、株式投資に関するある程度の知識が必要となる。こうした目的でファイナンシャル・アドバイザーを利用する人も多い。