インフレリスクなどは当然ある

「子供の将来のために貯蓄している」という充実感と安心感が得られるのはいうまでもないが、両タイプともに「毎年一定の預入金や利益が非課税になる」という点が最大のメリットだろう。

通常の子供用貯蓄口座も所定の手続きを踏めば非課税対象となる場合があるが、年間100ポンド(約1万7800円)以上利子がつくと、加入者の限界税率が適用されてしまうという点で、預入額が大きくなればなるほどジュニアISAの方がお得度が高くなる。

「預金型」は「株式型」のような大きなリターンは望めないが、“安全パイ”として人気だ。「株式型」の場合、当然ながら選んだ銘柄のパフォーマンス次第でロスも覚悟する必要がある。

また物価の上昇と預金や利率が比例するわけではないので、18年間コツコツと貯蓄した総額が、受益者が18歳に達する頃には価値が下がっていた――ということもあり得る。

英国でも激しい顧客争奪戦が

大人用のISA同様、英国では銀行から保険会社、信用組合まで実に様々な企業がジュニアISAを提供しており、かなり激しい争奪戦が繰り広げられている。

これらの企業はどこからともなく「子供がいる、できる家庭」を探し当て、さり気なくかつ根気よくDMなどで口座開設を迫ってくる。どこの事業者も「愛する子供の将来を考えている親ならば」というスタンスで、ある意味生命保険の勧誘と共通するものを感じる。

利率や手数料などは事業者によって異なる。例えばA銀行で開設すると利率が3.05%だが、年間手数料は一定の条件を満たせば無料になる。B保険だと3.25%のうえにギフト券がもれなくついてくるが、手数料として5%もとられる――といった具合に、いかにプラスαで消費者にアピールするかという点も、英国におけるジュニアISA市場では重要な要素になっているのだ。