ジュニアISA開設から4年が経過したが、基本的にCTFとの差はほとんど感じられない。筆者は結局自分が20年以上取引きしている銀行で年率3%の「預金型」ISAを開設したが、定期的に預入金のお知らせが郵送されてくるほか、マネージャーから「まだ今年分の枠が残ってるから、もっと預けないと損するぞ」というお節介コールがくる程度だろうか。
周囲でジュニアISAを利用している人たちも圧倒的に無難な「預金型」が多く、「投資型」の利用者はかなりの資産家あるいは加入者やその親族に投資の経験があるパターンが多い。
毎年「枠組み」が更新されるせいか、個人差はあれど「子供の将来のためにコツコツと貯蓄をしている」という意識は、普通の貯蓄口座を利用するよりも強く働くようで、「枠組みを無駄にしないようにできる限りの金額を預けよう」という精神的な効果は高いような気がする。
ジュニアISAは本当に「お得」なのか?
「預金型」で非課税の恩恵を噛みしめられるのは、預金額が大きく膨らみ始めた時だろう。年率3.25%のプロバイダーに預けていれば、預入金1000ポンド(約17万8446円)に対して年間32.5ポンド(約5799円)の利子がつくが、筆者が別口で開設している子供名義の普通口座でも、年率2.5%(25ポンド/4461円)なので、年間の差額はわずか7.5ポンド(約1338円)ということになる。当然ながら金額が低ければ課税、非課税の差も微々たるものだ。
そうした理由で「資本が少ないから普通貯蓄で十分」と、ジュニアISAに意味を見出さない親も多いのは事実だが、「受益者が18歳になるまでビタ一文引き出せない」ということは、「いかなる事情があろうとも、子供以外の人間が貯蓄に手をつけてしまう心配がない」ということだ。
貯蓄の始めやすさ、続けやすさ、利用しやすさ――これらの利点が長期的な資本形成に大いに貢献することは疑いないだろう。(アレン・琴子、英国在住のフリーライター)
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