無し
(写真=PIXTA)

セカンドライフを楽しく過ごしたい。そう思う方は多いことであろう。しかしながら、自由な時間が増えるとともに、資産管理も重要となってくる。この時、真っ先に考えなければならないのが、長年勤務した会社から受け取る退職金の使いみち。どのように使ったらよいのか、一度にまとまった資金を得るもののどんどん使って良いものかどうか。

資産管理への関心が薄い人は、とりあえず銀行口座に預けておく傾向が強い。確かに、利息は微々たるものであるが、安全性は高い。しかしながら、退職金を取り崩し、使っていくことがすべての方々にとって望ましいとは言い切れない。時間とお金に余裕がある今のうちに、セカンドライフの資金計画を練り、不足することがないかどうか、「増やす」という選択肢も含めて検討してみよう。

退職金限定サービスをうまく活用しよう

退職金をただ使うのではなく、賢く運用しながら生活の安定財源と位置付ける方法として、金融機関が取り揃えている退職者限定の優遇プランやサービスについて考えたい。

メガバンクを始めとする金融機関では、セカンドライフ設計のお手伝いとして退職金限定のサービスを導入しているところもある。退職金限定サービスとは、たとえば退職金を「一定金額以上」預け入れた人だけが利用できる特別なプランだ。ここでいう「一定金額以上」とは、金融機関によって数百万円から1,000万円程度まで設定金額が異なる。詳細は各金融機関のWebサイトを参照してほしい。

上記の退職金限定サービスの一環として注目したいのが「円定期金利優遇プラン」だ。退職金に限定した「円定期金利優遇プラン」は、文字通り金利を優遇してもらえるサービスである。運用期間は数ヶ月であることが多いが、退職金の金額の大きさを考慮すれば、少しでも金利を上乗せしてもらえるのは消費者としても有難いことである。退職金をすぐに取り崩さなくとも、これまで蓄えてきた資金で数ヶ月は生活できる方であれば、このプランで着実に増やすことを検討したい。

円定期金利優遇プランを受けるためには退職金を受け取ってから「一定の期間内」に申し込むことが条件となる。加えて、金融機関によっては合わせてNISA(少額投資非課税)口座を申し込むことによって、さらに金利を上乗せするサービスを提供しているところもある。金融機関によって提供されるサービスや条件も様々なので、まずは日頃からお付き合いのある金融機関の窓口に気軽に相談してみることをお勧めしたい。

投資信託を検討中の人にもうれしい

ところで、退職金を定期だけではなく「投資信託による運用も検討したい」と考える人のための「退職金特典」プランを用意している金融機関もある。投資信託は長期分散投資の代名詞として広く浸透しており、近年は退職金の一部を投資信託で積極的に運用しようと検討する人も増えている。そうしたニーズに応えて、投資信託と円定期を合わせて運用する人に限定した金利優遇サービスを提供している金融機関も多い。

このプランを利用するためには、①その金融機関で初めて投資信託を購入すること、②もしくは過去1年以内に投資信託を保有していないこと、③運用金額のうち「投資信託に◯%以上」「円定期は◯%以下」で運用すること……といった条件を満たす必要がある。

上記の①〜③の条件も金融機関によって詳細は異なるが、上手に活用することで、3ヶ月物円定期などで大幅な金利優遇サービスを受けることができる。たとえば、大手金融機関では年換算で5.0〜6.0%もの金利優遇サービスを提供してくれるところもある。退職金の一部を「投資信託」での運用を検討されている人にはうれしいサービスと言えるだろう。また、投資信託の初回の取引を「NISA口座」で行なえば、円定期の金利をさらに上乗せするサービスを提供してくれる金融機関もあるので、合わせて検討したい。

今回紹介した退職金限定サービスに申し込む際には、①退職所得の源泉徴収票や、②退職金を受け取った口座の預金通帳等……で退職金の金額と受取日を確認されることになるため、あらかじめ準備しておくとよいだろう。

ともあれ、各金融機関は退職者限定の様々な優遇プランを用意しており、これを活用しない手はない。プランを利用するための条件、サービスの内容については金融機関によって異なるので、まずはインターネットで調べたり、日頃からお付き合いのある金融機関の窓口に相談するなどして、自分に合ったセカンドライフの資産運用を前向きに検討したい。