マーケットビュー
◆中国株 GDPなどを睨みながらの展開か GDPや鉱工業生産などに注目
本土市場では上海総合指数が週間で9.0%安となり、3週続落となりました。先々週末に発表された生産者物価指数(PPI)及びマネーサプライM2が市場予想に届かなかったことや、外国為替資金残高の急減を受けて資金流出への警戒感も強まり上海総合指数は大幅な下落の要因となりました。
その後、当局が政府資金による株式購入などの相場下支えに動くとの期待が浮上し一時に反発したものの、中国当局が目立った株価維持策を打ち出さなかったことや、人民元安もあって週末に上海総合指数は3,000ポイントを大きく割り込み昨年来安値を更新して取引を終えました。
香港市場でハンセン指数は週間で4.6%安と3週続落となりました。週初の11日に中国の12月のPPIが弱い内容だったことを受けて2年半ぶりに20,000ポイントの大台割れでスタートしたハンセン指数は、その後も不安定な人民元相場や本土株の下落、原油安などが重石となり週を通して軟調な展開が目立ちました。
13日こそ短期的戻りを期待する買いで反発をみせたものの、週後半は再び原油相場の下落を嫌気した売りや、香港ドル安に伴う資金流出への警戒感から続落となりました。
今週の上海総合指数は19日発表の中国10-12月期GDPや12月分の鉱工業生産、固定資産投資などの主要経済指標を睨みながらの展開となりそうで、仮にGDPなどを受けて過度な中国の景気減速懸念が後退することになれば、上海総合指数は先週割り込んだ節目の3,000ポイントを試す場面もありそうです。
一方で中国経済への認識に大きな変化がみられなくても、16日にアジアインフラ投資銀行が北京で正式に開業したことや、先週末中国証券監督管理委員会(証監会)のショー・主席が上海・深セン両証券取引所での新規株式公開(IPO)の登録制度の導入にはまだ時間がかかるとの見方を示したこと、さらにショー・主席が同時に深セン・香港のストックコネクトを実行すると発言したことなどが相場の下支えとなりそうで、今週の上海総合指数は下げ渋る可能性が高いとみられます。
今週の香港ハンセン指数は、先週末の米国市場が大きく下落したことに加え、WTIの先物価格が30ドル割れとなった原油価格の下落を受けては大幅に下落してのスタートとなりそうです。
こうしたなか、オフショア市場での人民元の動向から引き続き目が離せないほか、19日に発表される中国のGDPや鉱工業生産、小売売上高などの主要経済指標にも注目が集まりそうです。
林宇川(TonyLin)
マネックス証券
フィナンシャル・インテリジェンス部
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