◆年金
年金支払は、保有契約の増加にリンクして順調?に増加している。ここ2年ほどは、銀行窓販が好調なことから急増している。団体年金と個人年金を分けられなかったが、増加分は個人年金が主であると思われる。
ただし、現状では個人年金といっても終身年金ではなく確定年金がほとんどであるし、そもそも支払うまでに準備金を用意できているはずの仕組みなので、年金支払いが急増したからといって直接会社収支に悪影響を及ぼすものではない。
これが仮に将来、例えば終身年金が主流となって、大きな長寿リスクを引受けることになれば、より慎重な対応(保険料や準備金の設定)が必要になると考えられるが、今のところその気配はない。
◆給付金
給付金といっても、上のグラフ内に示したように様々な種類がある。
「一時給付金」が最も多く変動も大きい。一時給付金の内容は各社ごとに異なるので一律にはいえないが、どうやら年金を何年分か一括して受け取ると、年金ではなく給付金という名前で支払われ、それが多いようだ。
次に多いのが「生存給付金」で、学資保険など数年おきに比較的少額だがまとまったお金を受け取れるタイプの保険から発生するものである。この2つは、満期保険金同様、支払いの準備はされており、収支に直接影響を与えることは少ないと考えられる。
問題はここからである。「入院給付金」は、所定のけがや病気で入院した際に支払われる給付金で、手術を受けると「手術給付金」も支払われる。これまでは安定した支払金額で推移してきたが、第3分野1商品の販売が好調なことから、入院給付金は今後増加すると予想される。
第3分野は、病気の発生率の将来動向に依然不透明な部分もあろうし、それに応じた充分な保険料水準となっているかどうかも一部不透明なまま商品化されているかもしれない、と考えられている。また、医療技術の進展、医療制度の変更などにも左右され、今後の動きには注意しておく必要がある。
「死亡給付金」は、主に個人年金保険で「年金を受け取る前に死亡した場合の定められた給付」が多いと思われる。個人年金保険保有契約の増加により、これも増加傾向にある。