社長名鑑

ある企業のことを知りたいなら社長を知ることが近道の一つだ。そのために社長の著作や雑誌のインタビュー記事を読む手もあるが、映像を見るという方法もある。映像なら表情やしぐさなどから雰囲気や人柄も伝わってくる。

社長のインタビュー映像をまとめたサイトはいくつかあるが、その中でも、「社長のもとで働きたい」という希望や「社長への提案・提言」を送れるといったことで差別化を図っているのが「社長名鑑」だ。すべて無料で見られるインタビュー映像が並ぶこのサイトは、「社長と繋がる、社長“直結”メディア」をうたっている。

約300社の企業を掲載、上場社長も200人超

草開千仁氏(ウェザーニューズ)、徳重徹氏(テラモーターズ)、宮原博昭氏(学研ホールディングス)、住谷栄之資氏(KCJ GROUP)、高田旭人氏(ジャパネットたかた)、西川徹氏(Preferred Networks)、「社長対談」で南雲二郎氏(八海山)×藤井隆太氏(龍角散)……。

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社長対談 南雲二郎氏(八海山)×藤井隆太氏(龍角散)

ざっと挙げただけでも、誰もが知る東証一部上場の大手企業をはじめ、例えば超小型人工衛星を作っている急成長中のベンチャー企業まで、幅広く魅力的な社長が並ぶ「社長名鑑」。2016年4月現在、約300社の企業を掲載、うち上場企業は200社以上もあるという。毎週のように新しい社長のインタビュー映像が追加されている。

掲載される企業は、ユーザーが「この社長の話が聞きたい」「この会社について知りたい」と思うであろう企業を編集部がチョイス。また規模や知名度はまだまだでも、これから伸びそうな企業についても積極的に採り上げている。

インタビュー映像は基本的に5つ程度の章(テーマ)に分けられており、各章は5~6分程度にまとめられているので、ちょっとした時間に見ることができる。見られるテーマには例えば「武勇伝」「人生最大のピンチ」「大成する人としない人の違い」などがあり、経験豊かな社長の人生訓、ビジネスパーソンの心に刺さる言葉を聞けるはずだ。

そこで語られている内容は、経営している企業のことはもちろん、社長個人の経験や人生に関わることも含まれる。社長名鑑編集長の古田宏典氏が「日経新聞の『私の履歴書』の映像版を想像していただければ」と話すように、一般のビジネス誌インタビューでは見られない、社長のプライベート、素の顔を垣間見ることができることも支持されている要因の一つかもしれない。

姉妹サイトから「社長の右腕」に立候補も可能

「社長名鑑」にはあって他のインタビュー動画サイトにはない機能が、社長に「ビジネスを含むいろいろな提案ができる」、「応援メッセージを送ることができる」、そして「一緒に働きたいという希望を送ることができる」機能だ。狙いとはまったくかけ離れた内容のメッセージについては運営サイドで選別するが、基本的には登場した社長、企業にしっかりと伝えられている。

社長名鑑

「どうしてもこの社長と働きたい!」といった熱い思いがめばえたら、同社が運営する姉妹サイト「転機」にアクセスするといい。このサイトは「経営者と直接面談できる」ことが特徴で、「社長の右腕に立候補する」「企業からのスカウトを待つ」というボタンが用意されている。業種や職種ではなく、社長で会社を選ぶのも良いのではないだろうか。

さらに興味がある会社や仕事内容などをリクエストすれば、希望に沿った求人オファーが届くという独自のサービスもある。求人案件も年収1000万円以上の案件が数百件もあるなど豊富だ。

今後の展開にも注目

数百という企業、社長が登場しているだけに、これから見ようという方は大変だ。しかし社長名鑑は、企業や社長についてや話している内容についての簡単なコメントを一覧画面から確認できるので、それを見るだけでも面白い。

またサイトには会員登録の機能があり、会員には新着企業のお知らせが届く。今後は会員のみの限定コンテンツを用意して、社長と直接会えるイベントに応募できるような仕組み、社長数人による対談・ディスカッションなどを開催することを検討しているという。

古田編集長は「社長のことを知りたかったら『社長名鑑』という存在になりたい。ビジネスの先輩である数多くの社長の言葉から、自分のビジネスやプライベートに役立つ知見や気づきが与えられるような、学びがあるサイトにしたい」と意気込みを語る。

ビジネスパーソンとして自分のレベルを上げたい人、転職を考えている人、ビジネス上での悩みがある人は、一度訪れてみてはどうだろうか。