成長戦略をけん引する「第4次産業革命」の「特選銘柄」はコレ!?

「第4次産業革命」は、IoT(モノとモノをつなぐインターネット)、ビッグデータ、AI(人工知能)など先進技術を産業化し、製造業やサービス業のさらなる発展を目指すことになります。それにより、2020年に付加価値30兆円の創出を目指します。

株式市場では数多くの銘柄が関連銘柄として挙げられています。

「日本株投資戦略」ではそうした数多くの関連銘柄の中から

(1)今期の予想営業利益(会社公表値)が10%以上の増益見通し
(2)前期および今期予想の営業利益が黒字
(3)過去1ヵ月の株価上昇率が20%未満
(4)予想PERが50倍未満

という条件を満たす銘柄を「特選銘柄」として表1に並べています。過去1ヵ月に20%超も株価が上昇したデータセクション <3905> やイー・ガーディアン <6050> 、ロゼッタ <6182> 、予想PERが50倍を超えるネットイヤーグループ <3622> 、フリービット <3843> なども、表1からは除外したものの、活躍余地は残っていると思われます。高い株価上昇率や高い予想PERは高い評価の裏返しであることも多いためです。

なお、「IoT分野」ではコマツ <6301> が顧客の建機を遠隔監視し、生産性向上や部品交換時期の通知等を行う等の取り組みを実現しています。また通信技術が不可欠なことから関連部品を手掛ける村田製作所 <6981> などがコア的な存在ですし、家電・AV、車載用と幅広くマイコンを供給するルネサスエレクトロニクス <6723> もコア的な存在になると思われます。いずれも今期は営業減益予想のため表1から除外しましたが、業績の踊り場形成が織り込まれれば、主力銘柄の一角を占めていることもあり、注目される可能性がありそうです。

表1 成長戦略をけん引する「第4次産業革命」の「特選銘柄」はコレ!?

抽出した「特選銘柄」の投資ポイント

モバイルクリエイト <3669> はタクシーやトラック向けの業務用IP無線システムを手掛けています。また、ネット環境さえあれば配車を確認できる「モバロケ」も展開しています。石井工研を買収し、産業用大型ドローンへの展開を狙っているようです。ただ、第3四半期までで営業利益が前年同期比83%減で通期計画達成に注意は必要かもしれません。2016/5期の業績を確認してから後が投資タイミングになる可能性があります。

ブレインパッド <3655> は、ビッグデータを用いて販促活動を支援する等のサービスを提供しています。ここにきて今期予想営業利益を上方修正するなど目先は業績面での不安は少ないといえます。もっとも株価の方は急動意をみせていますので、買いタイミングが難しくなってきました。また、日本ラッド <4736> もビッグデータを活用するシステムインテグレーターと言えます。

図1 ブレインパッド(日足)~株価が急動意

なお、IoTや車の自動走行などは、自動車の電装化・コンピュータ化を急速に進める要因になります。このため、開発された組み込みソフト等の不具合をチェックするビジネスが活況を呈しているようです。ベリサーブ <3724> はそうした業界の老舗的な存在ですが、その営業利益は2008/3以来の高水準で、今期もさらに増益を見込んでいます。ハーツユナイテッドグループ <3676> もゲームやスマホなどソフトの不具合を顧客に報告する事業に展開し、やはり業績好調です。

図2 ベリサーブ(3724)の単独営業利益推移(億円)~8年ぶり高水準