目指すは「長くアウトプットし続けられる組織」

インタビューに答えた神沢氏は、「理想の組織」についてもアツく語っており、インフキュリオン・グループの将来の姿も思い描く。同氏は「組織としては、長くアウトプットをしていけるものにしていきたい。そのために長く、会社でアウトプットしてくれるようなメンバーに入ってもらいたい」と話し、長期的に高いパフォーマンスを示せる組織の未来像を描き出す。

インフキュリオン神沢氏
(写真=FinTech online編集部)

さらに、オモシロイことに(特に大組織での)サラリーマン経験も強みになるという。この点について神沢氏は「フィンテック業界では、大きな組織、大企業に勤めた経験を持っていることが有利にもなる。名刺の渡し方を知っているとか、飲み会の席での振る舞い方を知っているとか、この会社には『このビールの銘柄を出す』といったことを知っていることも役に立つ」などと解説する。

ほかにも、「大組織特有の担当者の気持ちや、社内で企画を通せるかどうかなど、そうした点を理解して取り組むことで大組織と共に仕事をしていける」と同氏は解説した。

そのため、評価の仕方も通常と異なるアプローチを描き出す。同社は能力評価の基準を独自に設定しており、「どこまで周囲を巻き込めるか」「どれだけ議論をリードできるか」といった項目を設けて、社員のパフォーマンスを測っているとのこと。

ほかにも、マネージャーの横からの評価や、下からの評価もあることはある。ただ、インフキュリオン・グループの組織のコンセプトとしては、フラットでやりたいように挑戦できる雰囲気を作ることを目指しているという。そのための工夫としては、現場にメンターを何人かおいておき、その中で回していこうとしているのが現状だという。

結束を強める合宿とアイデアを共有するプレゼン大会

さらに、コンサルでは学習が必要なのは当然だ。そのために、海外事例の情報収集の役割を持つ人を設けて、月1回はオフラインで会い、情報を共有する機会を設けている。オンラインでの情報共有もしているものの、それだけでは読まれない可能性もあるので、強制的なインプットの機会を設けているということだ。

社員の相互理解を促進する取り組みもある。インフキュリオン・グループでは、毎年、2回の合宿を実施。その内の1回は、泊まりにしている。温泉へいくことになっているが、その際に、生まれてから、今までの人生の充実度をグラフにしてもらう、人生充実度チャートを作ってもらい、解説してもらうなど、相互理解に役立っている。

ほかにも、月1回は、企画のプレゼン大会を開催するようにしており、ビールも飲める軽い雰囲気の中で、有志による事業のアイデアを出す機会もある。その場では忌憚ない議論が繰り広げられており、社長の丸山代表取締役のアイデアにも厳しい意見が飛び出すという。活発な意見を出す場を設けることも、ネストエッグなど新規事業の立ち上げなどの効果を生んでいる様子を窺うことができる。

決済・金融セクターのコンサルティング、フィンテックへの取り組みなどで実績を積んできたインフキュリオン・グループでは、今後もさまざまなプロジェクトが展開していくだろう。その事業を着実に前進させ、新たな道を切り拓いていく人材が求められていると言えそうだ。( FinTech online編集部

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