(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)

広島カープがセ・リーグを独走中だ。2016年7月12日現在で今シーズンの貯金を20とし、2位巨人とのゲーム差を10ゲームまで拡げた。最後にカープが優勝したのは1991年。カープが優勝すれば実に26年ぶりとなる。広島ファンの中には、バブル崩壊後の日本の失われた20年と広島カープの低迷期をダブらせている人も多いようだ。広島カープと日本経済の相関関係を見てみよう。

カープの優勝年はGDPも株価も上昇

広島カープは、セ・パ両リーグで一番優勝から遠ざかっているチームだ。最後にリーグ優勝した1991年以降、25年間優勝がない。 今世紀になってリーグ優勝がないのは、セ・リーグではカープと横浜DeNAベイスターズ、パ・リーグではオリックス・バッファローズだけになった。

カープが初めてリーグ優勝したのは1975年だ。1950年の球団創設から1975年の初優勝までに要したのが26年間だった。山本浩二、衣笠祥雄が活躍していた頃だ。 奇しくも今年は最後の優勝から26年目、カープファンにはもう待ちきれない。

カープは初優勝後、1979年には初の日本一、1980年には日本一連覇とカープの黄金時代を築いた。投手に江夏豊を擁し「江夏の21球」と野球ファンに語り草になっている日本シリーズが1979年。高橋慶彦が33試合連続ヒットを記録したのもこの年だった。

1984年、1986年、1991年にもリーグ制覇をし、80年代のカープは、投手に北別府学、大野豊がいて、打者には正田耕三や小早川毅彦などがいて、セ・リーグの常勝チームだった。ただし1991年が最後の優勝となり、バブル崩壊後リーグ制覇はなくなった。

カープ優勝年の実質GDP成長率と日経平均の騰落率を比較してみた。たしかに、カープが優勝した年は、景気もよく、株も上がっている。とくに80年代にカープが全盛期を迎えていたのでその感覚が強いのだろう。

カープ優勝年:実質GDP成長率(年度)/日経平均年間騰落率
1975年:+4.0%/+14.2%
1979年:+5.1%/+9.5%
1980年:+2.6%/+8.3%
1984年:+4.8%/+16.7%
1986年:+1.9%/+42.6%
1991年:+2.3%/▲3.6%
2016年6月末:+0.9%予想/▲18.2%(6月末)

ただ、1990年までの日本は、景気も株価も右上がりだった。カープが頑張らなくてもGDPも日経平均も上がっていたとも言えるだろう。カープだけが相関関係が高いわけではないかもしれない。