奴隷制度,ブラック企業,CSR
(写真=Thinkstock/Getty Images)

現代の奴隷という言葉を聞いて、皆さんはどのように感じるだろうか?

「奴隷なんて過去のこと、それも他の国のことで、自分には全然関係のない話」と感じている人が多いのではないだろうか? しかしながら、現代にも奴隷制度が存在しており、先進国においても社会問題として認識されている。

2015年3月、英国で奴隷制を防止する法律である「Modern Slavery Act 2015 (現代奴隷法)」が、制定された。この法案は企業に、サプライチェーン上の奴隷制を特定し、根絶するための手順の報告を求めるものである。

英国社会では人身取引、強制労働、性的搾取等が大きな問題として認識されている。また、これに対応する形でデイビッド・キャメロン首相が「現代の奴隷制の根絶において、英国が世界をリード」することを表明。法案成立に向けて動き、世界で初めて現代奴隷制を規制する法律として制定されたのである。

英国現代奴隷法2015では、企業に「奴隷と人身取引に関する声明」を会計年度に1度発行することを求めている。これは企業のサプライチェーン上に、強制労働や人身取引などの人権侵害の有無やリスクを確認させるためのものだ。

対象は英国で活動する企業の世界での売上高3600万ポンド(約50億)を超える企業で、英国と英国外の1万2000社となる。この中には、英国法人を持つ多くの日本企業も含まれている。つまり、2016年3月末以降に会計年度が終了している企業は、2016年4月1日からこの法律に則った対応が義務付けられているのだ。