消費税増税に伴う軽減税率の検討

2015年10月以後、消費税率が10%に引き上げられる予定です。その時、一部の品物に対して他の品物より低い税率を適用する「軽減税率」と言うシステムが検討されています。と言うもの、果たしてどの様な品物を軽減税率の対象とするのかと言った具体的な内容に関しては政府や与党が深く踏み込んでいない上、そもそも、消費税と言うシステム自体が複雑になる懸案が存在するため、現在の時点では軽減税率を適用するのかどうかが(もっと言うと消費税を10%に引き上げるのかどうかが)未定です。

消費税の概要

消費税は消費行為に対して発生する税金です。1989年4月時点は3%(厳密には販売金額の3/103)、その後、徐々に税率が引き上げられ、2014年4月に8%(同8/108)に引き上げられました。その時、消費税分を含めない値段を書く「外税方式」を採用する小売店が増加しましたが、システム的には価格に課税金額が予め含まれる「間接税」の形を採用しています。その大半が政府の会計に入る「国税」になっていますが、一部は地方自治体の会計に入る「地方税」になっています。

なお、消費税は物品税と異なり現物を伴わないサービスにも課税されます。消費税は一般的に所得税より逆進性が強く、低所得者への負担増が懸念されるため、生活必需品に対する軽減税率が検討されています。ただし、社会保険料より逆進性が弱い点もあって、今後、社会保障に関する財源を少しずつ消費税に切り替える方針を取りつつあります。

日本の軽減税率

現在の日本では(一部の非課税対象を除いて)軽減税率を設定していません。しかし、2015年10月の消費税10%引き上げ以後、新たに軽減税率を設定する予定です。2014年5月15日時点では食糧品を対象とする意見が出ています。一般的には全ての食糧品・飲料水を対象とする意見が主流ですが、それでは税収が不足するため、取り敢えず米だけを軽減対象とする意見を始め色々な意見が存在していて、まだ詳しく決まっていない様です。飲料水にアルコール類を含めるか、そもそもアルコール類に消費税を掛けるのは二重課税ではないのか等、実に様々な意見が飛び回っています。また、新聞や書籍を軽減税率の対象にする意見やJR等の輸送機関に対して軽減税率を適用しようと言う意見も少なくありません。