Google Play②

アプリ会社の間で、グーグルプレイを通じた販売についての消費税課税が問題となっています。「グーグルプレイ」は、米グーグルのアンドロイド端末におけるアプリ販売ルートの主力となっています。国税局は、ガンホー・オンライン・エンターテイメントに対して過去にさかのぼって消費税を課し、支払いの同意を得ました。他の大手アプリ会社に対しても追加課税の歩を進めていますが、本来支払い不要であるはずの海外向けの売り上げに対する課税に対し、一部の会社から強い反発を招いている状況です。

アプリ販売業界で波紋を起こしている消費税課税問題ですが、国税当局が消費税が不要であるはずの海外向けの売り上げに対して、過去にさかのぼり課税をするということで多くの反発を招いています。ガンホー・オンライン・エンターテイメントから支払いに同意を得るという先例はできたものの、支払いに応じていないアプリ会社もあるという状況です。そして、問題となっている消費税は8%から10%へと、さらなる増税段階を控えており、このアプリ会社に対する消費課税問題は、国内のアプリ会社にとって大きな負担になりかねません。さらに、国内での課税を免れるために企業の海外流出が増加する恐れもあり、そうした意味においても重大な問題となる可能性があります。

一方で、Amazonや楽天Koboは、あえて海外に販売拠点を置く事によって日本の消費税を回避する節税戦略をとっています。例えば、アップルが先駆けとなった節税戦略に、「ダブルアイリッシュ&ダッチサンドイッチ」があります。この節税スキームによって、国家や地域に縛られていた税法にとらわれない戦略が可能となっています。有料デジタルコンテンツのコスト削減・コンテンツ特許やサーバ、法人の移動によって、最小限に実効税率を抑えているのです。企業の革新性は、こういった節税戦略においても発揮されるということなのでしょう。

いずれにせよ、今回の課税問題は、国税当局の硬直的なデジタルコンテンツへの課税への問題点が浮き彫りとなったケースとなりました。こうした硬直的な運用を国税当局が見直さない限り、この問題の改善は困難となるでしょう。最悪のシナリオは、アプリ企業が販売拠点を海外に移す動きを取り始め、国内販売に対しても課税ができなくなるということです。そうした意味においても、このデジタルコンテンツへの課税への問題については早期の抜本的見直しが求められます。

【関連記事】
ガンホー、第1四半期の売上高は前年比6割増!好調理由と関連銘柄まとめ