ZUU Onlineでは先の消費税増税で影響を受ける銘柄を特集する等してきましたが、株式取引に留まらず投資をする際には色々な外部情報を集め分析することが根幹となります。勘だけで取引を進めても上手くいことはまれで、それでは投資にはならないことは皆様もご存知の通りです。個人投資家としての力量は経済や投資の基本を学びながら、失敗していく中で身についていくものです。過去の相場の流れと、イベントが経済にどのように影響してくるかは、その基本中の基本とも言えます。
2014年のイベント
日本では、今年一番のイベントと言ってもいい消費税増税が4月にありました。増税前、白物家電は値下がりしないと言う評論家もいましたが増税後に値下がり、単純に買い急いでしまった方が後悔されているのとの報道も流れています。商品は需要と供給の関係で成立ちます。売りが一巡すれば値下げすると言う評論家がいたことも事実です。
ネットでは各家電などの昨今の価格形成を紹介しているサイトもあります。そういうサイトを見れば一目瞭然、3月になって急激に多くの家電は値上がりしていました。対して、パソコンなどはWindowsXPのサポート終了が4月にあったにも関わらずほぼ値段は横ばいです。これはパソコンを買う人は情報を仕入れ値段をしっかり把握しているためでしょう。それなのに、テレビなどでは連日、増税前の駆け込み需要だと報道されました。その報道に踊らされ、増税前に家電を購入した方はいいカモになってしまった訳です。つい最近、日本人はこれと似た現象を経験しています。地デジやエコポイントの駆け込み需要です。情報は手に入れても、それを過去に照らし合わせ、色々な角度から考えないと馬鹿を見てしまいます。
今年はこれからブラジルワールドカップ、米国中間選挙など世界的に大きなイベントがあります。これらがどう日本の相場に影響するか、過去の事例とともに考えていきましょう。
季節に観る相場観
まず、季節の相場観を見てみましょう。最近の相場にはある程度の法則が見てとれます。結論から言うと春に向かって相場を上げて夏前に安くなります。そして、また秋から上昇します。「5月に売り抜けろ」というウォール街の格言もありますが、なぜそうなるのかは諸説あります。機関投資家の行動パターン、12月前に個人投資家が利益確定する、夏には戦争やテロが多い、など他に都市伝説に近いものもあります。
日本では外国人投資家の影響が強くなってきた頃から顕著です。過去2年の日経平均を6月から翌年5月を一括りとして見てみましょう。そうすると見事にこの法則が当てはまります。2012年7月に底値8,328円をつけてから右肩上がりで2013年5月の15,942円の高値をつけました。翌6月の12,415円の安値をつけてから2014年の1月に高値の16,164円をつけています。もちろん、こういった動きをしない年ありますが、過去20年ほどはこの傾向があると言えます。これを踏まえた上で米国中間選挙の影響を考えたいと思います。
米国中間選挙の年は重い?
オバマ氏が2009年1月にアメリカ大統領に就任してから5年が経ちました。大統領選挙は4年に一度行われます。前回が2012年。その中間となる2年が経過した時点で行われるのが中間選挙です。上院議員の3分の1、下院議員の全員が改選となります。今年11月に行われるこの中間選挙は、米国株の経験則としてかなり重くなることが知られています。これはミッドターム・コレクションと言われ高値から20%以内の調整が起こると言われます。
ちなみにイールドカーブが逆イールドカーブだとその限りではないのですが、現状では正規のイールドカーブになっているため、この法則は今年も当てはまるのではないかと予想できます。さらに、米国中間選挙とワールドカップは同じ年に行われており、ワールドカップはその中間選挙前の夏に行われます。
少し前のデータになりますが2010年、南アフリカワールドカップ時に発表された分析があります。投資に関する統計を研究しているビスポーク・イベストメント・グループによると、世界の株式市場ではワールドカップ期間中に株価が下落する傾向にあるとのことです。例えば米国S&P500は過去18回の大会のうち10回で下落、その平均騰落率は-1.65%となるとのことでした。実際、2010年の日経平均はどうだったかというと、ワールドカップ開催日6月11日の終値は9705円、ワールドカップが終了した7月11日の翌12日の終値は9548円で若干ではありますが下落しました。ワールドカップから米国中間選挙への流れにも注視が必要です。