海外では大物アスリートの不祥事

海外では大物アスリートの不祥事が続出している。3月に、テニスのマリア・シャラポワ選手がドーピング検査で陽性となったことを受け、ナイキやタグ・ホイヤー、ポルシェなどの大手スポンサーとの契約が停止となった。当然その損害額は億単位だろう。

リオデジャネイロ五輪では、通算12個のメダルを獲得している水泳のライアン・ロクテ選手(米国)が、虚偽の強盗被害を警察に通報する、という不祥事が起こった。この結果同選手は、水着メーカーのスピードやアパレル大手のラルフ・ローレン、日本の寝具メーカーのエアウィーヴなどとの契約を打ち切られている。

ただ、のど飴メーカーであるパイン・ブラザーズ・ソフティッシュ・スロート・ドロップスが、「ユーザーがロクテに2回目のチャンスを与える、決断を支持してくれるという自信がある」との考え方から、新しく契約を締結したのがせめてもの救いだろう。

アスリートのスキャンダルで、企業へのダメージで最大だったのは、プロゴルファーであるタイガー・ウッズ選手の不倫騒動だった。2009年11月以降に、複数の女性との関係が明るみ出た同選手にかかわる契約金の総額は、年間で100億円以上に上った。

スポーツビジネスは年々巨大化する一方だが、企業はもちろんのこと、世界のトップアスリートは記録にこだわるだけでなく、ビジネス上のリスク管理にも神経を配る必要があるようだ。

不祥事からの一連の影響は、一般人にとっても対岸の火事ではない。特に1度の不祥事が真実でも誤報でも、続報が出ることのない一般人は訂正の機会が少ないといえる。身から出たサビといえばそれまでだが、教訓として活かせる部分はしっかりと頭に入れておくに越したことはないだろう。(ZUU online編集部)