M&A
(写真=PIXTA)

中小企業のM&A(『Mergers(合併)and Acquisitions(買収)』の略)が盛んになっている。企業の後継者問題が増加するなかで、中堅・中小企業においてもM&Aのニーズは増加し、深刻な経営問題になっているのが現状である。中小企業の経営者がM&Aを検討する上で、専門家のサポートが無いと実行するのは難しい場合がほとんどだろう。M&Aに必要なステップをあらかじめ知っておくことで、どのような専門家に、何を相談すれば良いのか基本的なことが理解できるだろう。

1. M&Aの一般的なスケジュール

まずは、どのような手法で行うのか選定する段階だ。具体的には、(1)売却、(2)買収、(3)合併、(4)分割がある。自社が以下のどのタイプに当てはまるかまずは選定を行う。

(1)売却の場合
創業者の引退・事業承継、創業者の利益確保、事業集中による分離売却、不採算事業の撤退、業績悪化による撤退が理由の場合の手法である。
(2)買収の場合
市場拡大や顧客の確保、業界内の統合、経営資源(技術、人材、ブランド、設備)の確保、新事業への進出を検討している場合の手法である。
(3)合併の場合
業界内での統合(市場拡大、競争排除、コスト削減、外資への対抗)を検討している場合の手法である。
(4)分割の場合
会社がその事業に関して有する権利義務の全部または一部を他の会社に包括的に承継させる手法である。

2. M&Aアドバイザーを選定する

次に、M&Aアドバイザー(仲介業者・助言者)の選定が必要である。M&Aを決断したら、M&Aアドバイザーを選定する。M&Aアドバイザーとは、売り手(または買い手、もしくは双方)と契約し、顧客にとって有利な交渉を進めるためのアドバイスを行う専門家のことである。M&Aアドバイザーとは、機密保持契約(NDA)やM&Aアドバイザリー契約を締結する。当然、着手金や成功報酬等の仲介手数料もかかるが、M&Aアドバイザーが成否の鍵を握るといっても過言ではない。