カウンセリング,うつ,ストレス,悩み
(写真=PIXTA)

「カウンセリングは心が病んだら受けるもの」――。

あなたはそう思っていないだろうか。感情をコントロールできなくなったり、眠れなくなったりと、心身に何かしらの影響が出たらという認識の方がまだまだ多いように思う。もちろんこのタイミングは正しいし、もしこのような状態にあるとしたらすぐにでもカウンセリングを受けるべきだとも思う。

しかし、実はもっと早いタイミングでの利用が望ましいことをご存じだろうか。心理カウンセラーとしては、心身ともに余裕のある状態での、投資としてのカウンセリングをお勧めしたい。

カウンセリングで得られるもの

投資には当然得られるものがあるが、心理カウンセリングの場合は主に3つ挙げられる。

1つはストレス減少だ。 心理カウンセリングでは、ストレスを感じやすいケースや、その時の考え方のクセを明らかにすることで、自分のストレスパターンを知ることができる。さらにカウンセリングでは、適応的認知と呼ばれる心への負荷の軽い考え方を身につけるサポートも受けられる。結果、「ストレスを感じづらい自分」を手に入れることが出来る。

2つ目は人間関係の充実である。 価値観の合わない相手の受け入れ方や、正しいコミュニケーションの仕方は、実はなかなか教わる機会がないものだ。そのため、「気の合う人とだけ仲良く」良いった具合に、人間関係が狭く、偏る人はとても多い。カウンセリングでは、コミュニケーションスキルの改善も行い、無理なく、広い交友関係を作れるようになる。人の好き嫌いがハッキリしている方には、この効果は顕著だろう。

3つ目に挙げられるのが、ワークライフバランスの向上である。 先日、安倍首相は、内閣官房に設けた「働き方改革実現推進室」の開所式にて、『モーレツ社員の考え方が否定される国にしたい』と述べ、ワークライフバランスの向上を訴えたが、どれだけ労働時間を短くしようとも、自分が何に幸せを感じ、仕事で何を大切にしたいのかに気づかなければ、真のワークライフバランス向上は果たせない。

こうした価値の明確化は、カウンセリングの得意分野。当たり前のように働き、家庭を築いてきた方には、自分の価値観を掘り下げることなくここまで生きてこられた場合が多いので、自己理解を深める良い機会になるはずだ。

これら3つを得ることで、クオリティ・オブ・ライフ(QOL)が向上する。多くの資産は確かに大切だが、それだけではQOLは向上しない。心身ともに健康で、豊かな人間関係を築き、自分の幸せのために使う時間こそが、人生の充実度を高めてくれるのだ。