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(写真=PIXTA)

「ビックマック」といえば、世界中で知られているハンバーガーです。金融用語とはおよそかけ離れたイメージですが、各国通貨の購買力を測定するうえで非常に役立つ指針として、「ビッグマック指数」なるものが広く利用されています。

購買力平価の考え方をより身近なものに

ビックマック指数は購買力平価の考え方を利用しています。購買力平価と聞くと、何やら難しそうに聞こえますが、実はとても簡単な考え方です。

例えば、米国と日本で同じように売られている「あるモノ」を基準に考えてみましょう。この「あるモノ」は米国では1ドルで売られているとします。全く同じモノが日本では120円で売られていたのならば、この「あるモノ」を基準に考えれば米国と日本では1ドル=120円で購買力が釣り合って(平価して)おり、これがドルと円の交換レートとして妥当ではないかとの考え方が基になっています。

もし、この値段が極端に不釣合いなものならば、安く買える国で大量に買い付けて、高く売れる国で売ることにより利益が出ます(これを裁定取引と言います)。裁定取引の結果、安い国での価格が上昇し、高い国の価格は下落するでしょう。結局は、ある均衡点に落ち着くと言う結果が予想できます。お金や物、サービスの取引が完全に自由に行える市場では、同じ商品の価格は一つに収れんするという“一物一価の法則”です。一物一価の法則のもと、価格が収れん(購買力が平価)した水準を購買力平価と言います。

ビッグマック指数(BMI)はビッグマックの価格を通じて通貨の購買力を比較

上の文章では「あるモノ」を基準に考えましたが、これをさらにわかりやすくするために世界中で売られているビッグマックを基準にして購買力平価を考えたものがビッグマック指数(Big Mac Index)です。1986年に英国の経済誌『エコノミスト』のジャーナリストだったパム・ウッダル氏によって考案されました。