百貨店,閉鎖,株式投資
(写真=Thinkstock/Getty Images)

三越伊勢丹ホールディングス <3099> や、そごう・西武といった大手百貨店による郊外・地方店の閉鎖の発表が相次いでいる。その多くは、他の百貨店や商業施設との競争が激しく、販売が低迷している店舗が対象となっている。

人口分布や社会の変化、他社との競合状況を踏まえ、営業成績の低迷する店を閉じ、新たな顧客が見込める場所に新しい店を出すことは小売業界の宿命でもある。

百貨店の品ぞろえは高額品が比較的多く、所得の伸びが鈍い地域では販売も低迷しがちだ。企業として成長戦略を定めるには、都心部の基幹店と、その脇を固める郊外・地方店の位置づけを見直すことが、ますます重要となってきた。

三越伊勢丹、統合直後以来の複数店閉鎖

三越伊勢丹HDは、2017年3月に三越千葉店と三越多摩センター店の営業を終了すると発表した。

同社による複数の百貨店店舗閉鎖は、旧伊勢丹と旧三越が経営統合した翌2009年に三越池袋店など三越6店舗を閉鎖して以来となる。その後、伊勢丹吉祥寺店やJR大阪三越伊勢丹を閉めたが、どちらも単発だった。

今回の店舗閉鎖には百貨店業の利益を引き上げる意図が読み取れる。統合後の閉鎖店舗(予定を含む)を屋号別でみると「三越」が8店と際立つ。

一方、そごう・西武は2016年2月末に西武春日部店を閉鎖した。9月末には西武旭川店とそごう柏店、来年2月には西武八尾店と西武筑波店を閉店する。さらに報道によると、セブン&アイ・ホールディングス <3382> 傘下のイトーヨーカ堂などの店舗に出店しているそごう・西武の小型店10店についても、2017年1月から閉鎖する方針という。

その他の大手では、阪急阪神百貨店を運営するエイチ・ツー・オーリテイリング <8242> が2017年に堺北花田阪急を閉店することを明らかにしている。

三越千葉店の売り上げは8年連続の前年割れ

百貨店の店舗閉鎖の狙いは「経営の効率化」にあるのは言うまでもない。

たとえば、千葉駅周辺では同駅直結の「そごう千葉店」が強い。2018年には新しい駅ビルも開業するのも同店には追い風だ。一方、駅から離れている三越千葉店は劣勢を強いられている。三越伊勢丹HDが開示しているデータによると、少なくとも2015年度まで8年連続で売上高が前年を割り込んでいる。

消費税率が8%に引き上げられる直前には全国の百貨店では高額品が飛ぶように売れる駆け込み買いがあったが、三越千葉店ではこの分が上乗せされた2013年度(2013年4月~14年3月)でも売上高は前年を下回っていた。

三越伊勢丹HDは現在進める3ケ年計画で、2018年度に連結営業利益で500億円以上という目標を掲げているが、2015年度実績は331億円で、大きなかい離がある。不採算店の閉鎖は、目標を達成する上で有効な手段だ。