不動産投資の特徴
次に、不動産投資を他の金融商品と比較してみてみよう。
預貯金、投資信託、株式、FXといった金融商品は、買って売ることで投資が完結する。つまり売買のタイミングしか自分ではコントロールできない。価格が下がっても、自分で上げることはできない商品なのだ。
対して不動産は、自分で事業の成否をコントロールできるという点が異なる。努力次第で、空室だらけの状態から高利回りの優良物件へと変身できるのだ。ビジネスだからこそ、リターンへの工夫の余地が大きいといえる。
また株式やFXは一夜にして価格が半減することもあるなど、値動きがとても激しい。一方、不動産は昨日と今日で価格が一気に激変する可能性は極めて低い。また、家賃収入というインカムゲインは入居者がいる間、長期安定的な収入となる。資金効率的には、額は大きいがミドルリスクな投資といえる。
その他、銀行融資というレバレッジをかけられる、実物資産であるためインフレに強い、という点なども特徴として上げられる。無論、売買時の流動性の低さ、マーケットの閉鎖性、相対取引のため価格が不透明、などのデメリットも認識しておきたい。
不動産投資の種類とステージ
ローン、現金どちらで購入してもいいが、その前に整理すべきことがある。不動産投資と一口にいっても、その種類は幅広い。区分マンション、戸建て、一棟マンション・アパート・ビルといった種類があり、それぞれに新築、中古がある。首都圏や地方都市など地域別の選択肢もある。物件購入時に考えるべきポイントは、あなたの投資目的や資産形成のステージによって異なるため、自分がまずどのステージで、何を目的に購入するのかを整理してからにして欲しい。資産形成には次の3ステージがある。
資産形成期:高い利回りを追求し、資産を増やしていく時期
質的改善期:出口の取り易い質の高い物件に入れ替えていく時期
安全運転期:資産価値の維持、相続評価の圧縮に努める時期
不動産ポータルやメディアでは、これら全てが混在したまま掲載されているケースが多い。自分のステージに合わせて、情報を取捨選択する必要がある。セミリタイア狙いの資産形成と、富裕層の相続対策では買うべき物件が違うのだ。
不動産投資のリスクとリターン
不動産投資に限らず、投資のリターンはインカムゲインとキャピタルゲインで構成される。今の不動産市場の活況はイールドギャップ(調達金利と投資利回りの差)と家賃の価格の下方硬直性が見直されているからに他ならない。
購入前には融資の壁と物件探しの壁があり、購入後は空室というリスクがある。だが、恐れることはない。「やらないうちから心配する人」が多いが、起きるトラブルは実際に対処してみるとほとんどが解決可能だ。リスクは避けるものではなくコントロールするものなのだ。(提供: みんなの投資online )
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