公的支援は他にも多数ある

公的支援には、主に下記の5種類である。それぞれの主な支援を挙げたが、知らなければ利用できないので、情報収集につとめたい。

1. 給付:現金を受け取れる支援
◯災害弔意金:災害によって死亡した人の遺族に支給
◯災害障害見舞金:災害によるケガや病気で重い障害が残った人に支給

2. 貸付・融資:無利子または低利で資金を借りられる
◯災害援護資金:負傷または住居、家財の損害を受けた人
◯年金担保貸付:国民年金・厚生年金を担保に教育費や居住関係費が借りられる

3. 現物給付:住宅の応急修理、公営住宅への入居等
◯住宅の応急修理:居室、台所、トイレ等日常生活に必要な最小限度の応急的修理
◯特定優良賃貸住宅等への入居:市町村等が整備する住宅に入居できる

4. 軽減・免除:税金や子供の授業料の免除
◯高等学校授業料等減免措置:授業料・入学料等を減額または免除される
◯大学等授業料等減免措置:大学、短期大学、大学院、高等専門学校が対象

5. 猶予・延長:納税の猶予、税務申告の延長等
◯地方税の特別措置:住民税、固定資産税、自動車税など一部軽減や免除
◯国税の特別措置:所得税の軽減など
◯医療・介護の窓口負担の減免:保険者によって取り扱いが異なるため確認が必要

保険金請求に必要なもの

公的支援を受けるには、罹災(りさい)証明書が必要になる。罹災証明書の発行は各自治体で行っていて、申請時には被害状況がわかる写真を添付するのが一般的だ。写真は、建物の全景、損害を受けた箇所、建物の傾きが分かるものを複数用意するとよい。

民間保険の場合でも、罹災証明書は必要だ。また、保険証券の原本は安全なところに保管しておきたいが、念のため、保険会社や証券番号は控えておくのが望ましいだろう。

甚大な被害でなくても、台風の暴風で屋根の一部が壊れて雨漏りしたり、アンテナが壊れてしまったりすることもある。修理には、民間保険の補償が対象になっていることもあるので、ぜひ利用して家屋の不具合は早々に修理しておきたい。

保険を利用した修理を得意とする業者もある。ためしに、筆者が「台風 修理 保険」をキーワードに検索をしてみると、多くのサイトがヒットした。せっかく保険料を払って加入している保険だ。いざという時に役立てるよう、普段から意識しておきたいものである。

タケイ啓子
ファイナンシャルプランナー(AFP)36歳の時に2人の子をつれて離婚し、大手生命保険会社に営業として就職。そ の後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを発症。現在はがんとお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。 FP Cafe 登録FP