roboado
(写真=PIXTA)

ロボアド(ロボット・アドバイザー)とは、投資家の目的などに応じたポートフォリオの提案や実際の資産運用を、人間の代わりに人工知能(AI)を使った資産管理のことです。

例えば、たくさんある金融商品の中でどれを購入したらよいか迷っている時に、Web上で簡単な質問に答えるだけで、AIがその人のリスク許容度を判断し、各自に適したポートフォリオを提案してくれます。

ロボアドが生まれた背景

投資の世界では古くから分散投資の重要性が指摘されてきました。「卵を一つのカゴに盛るな」という投資の格言にもあるように、複数のカゴに分けて卵を盛れば被害は限定になることから、投資でも分散投資によってリスクを低減させるという考えが広く受け入れられてきました。しかし、金融商品は多岐にわたるため、個人が分散投資を行うのは容易ではありませんでした。そのため、投資家は金融業者などのアドバイスを元に投資を行ってきました。

AIのアドバイザーが、人間の代わりにポートフォリオを提案する際には、ETF(上場投資信託)が大きな役割を果たしています。

個人が分散投資先をそれぞれ選ぶのは難しく、以前は金融業者などからのアドバイスが必要でした。またはプロのファンドマネージャーが運用する投資信託を購入したり、ラップ口座に投資したりという手法もありますが、こちらは手数料がかかることが課題です。
その点、上場しているETFは売買時の委託手数料はかかりますが、一般的な投資信託を購入・保有するよりコストを抑えられます。日経平均株価などの株価指数や金価格などの資源価格に連動するものなど、幅広い種類の世界の上場銘柄を取り扱っているため、国際分散投資を低コストで行うことが可能です。このため、ロボアドの多くは基本的にETFを使ってポートフォリオを組んでいます。

国内外の代表的なロボアド

海外では米国に「Betterment(ベターメント)」や「Wealthfront(ウェルスフロント)」があります。ベターメントはマンハッタンを拠点に、2016年7月時点で17万人以上の顧客をもっています。同社は、運用資産額が50億ドルを突破する最初のロボアドバイザーになると発表しました。

ウェルスフロントは2011年12月に現サービスを開始しました。運用資産額はわずか3年で20億ドルを突破しました。これらの例をみると、いかにロボアドが急速に拡大しているかがわかります。

日本で有名なのは、株式会社お金のデザインが始めた「THEO(テオ)」というロボアドです。同サービスは10万円から投資を始められるという手軽さから、2016年8月18日時点で11万人以上が体験しています。また、大手金融機関や政府系銀行のベンチャーキャピタルから出資を受けた「WealthNavi(ウェルスナビ)」が2016年7月13日に正式にサービス開始し、注目を集めています。

ロボアド市場は2020年までにアメリカでは2.2兆ドル、日本では1兆円を超えると予想されています。