中国の大型連休―国慶節がスタートした。

ほぼ1週間の休暇がとることができるため、今年も多くの中国人が海外旅行に繰り出している。

最大手の旅行口コミサイトTripAdviserによると、今年の国慶節期間中、人気の高い海外旅行先として、日本はタイに次いで2位となった(ホテルの予約状況に基づく)。中国では、連休を前に、複数の旅行会社が同様のランキングを発表したが、その多くにおいて、日本はトップ3に入っている。

中国旅行研究院と旅行会社大手の携程の調査によると、海外旅行については「女性の時代が到来」したらしい。2015年上半期において、海外旅行をした人は前年同期比4.3%増の延べ5903万人。そのうち、58%が女性であった。女性の比率は男性より16ポイントも多いのだ。

海外旅行の主力は、一人っ子世代である20~30代である(30~39歳:24%、20~29歳:20%、20歳未満は15%)。中間層にも海外旅行が浸透し始めており、また、複数の国への旅行や、リピーターも増加している。同調査では、6割が日本に行ったことがあり、1年のうち2回、3回と複数回の訪日をする旅行客が多い。これらの訪日客は、日本の地方への旅行や、新たにできた観光地などに興味があるとのことである。

一方、『日本での「爆買」が下火になった』と言われる。その背景に、人民元安が進んだこと、越境EC市場の税金引き下げ、高額商品の通関での追徴課税などが挙げられている。特に、高額商品の割安感は低下し、日本でわざわざ買う利点は以前よりもだいぶ低いのであろう。

図表1は中国人訪日旅行客の買物ランキングであるが、化粧品・香水、菓子類、医薬品・健康グッズ・トイレタリーの購入率はおよそ7割と高いのに比べて、電気製品などは40%程度、カメラ・ビデオカメラ・時計等は25%程度にとどまっている。

購入率の高い商品は、お土産として、また、自身の日常使いとしての利用が多く、それらを割安に購入できるドラッグストアの利用が最も多い(図表2)。

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