毎月きちんとお金を貯めているのになかなか残高は増えないという方が意外と多いのではないだろうか。FPである筆者のもとにも、「貯めているのに貯まらない」と、一見なぜ?と思える相談が多くある。そこで家計のやりくりをチェックしていくと共通していることが「ラテマネー」。自分ではたいした出費ではないと思っている小さな支出が重なると大きな支出になりかねない。今回は、その小さな支出「ラテマネー」について紹介しよう。

「ラテマネー」とは何か?

日々の生活の中で何気なく使っている小さな出費をアメリカの資産アドバイザーであるデヴィット・バックは著書「The Automatic Millionaire(オートマチックミリオネア)」で「ラテマネー」と定義している。その本の中では、毎日何気なく使っているスターバックスのカフェラテ1杯分=おおよそ1日10ドル(毎月300ドル)を年利10%で積み立て運用すると40年後の受取額は2億円にもなるという例をあげている。1回あたりの支出額が少なく、特に必要がなかったと思えるお金「ラテマネー」も積もれば大金になるのだ。

この例の10%という金利は日本の現状とはかけ離れているので現在の日本で考えてみよう。現在330円であるスターバックスのラテ(ショートサイズ)を毎日我慢して貯金箱に30年間貯めておくだけで356万4000円となる。(1ヶ月9900円として計算)これを一般の普通預金金利0.001%で運用しても356万4535円でほとんど増えないが、1%で運用できたら415万7781円に、3%で運用できたら実に578万3517円になる。投資信託などを活用すれば3%で30年の運用は夢物語ではないので、普段からこの「ラテマネー」を意識することがいかに重要かということだ。

自分の「ラテマネー無意識度」をチェックしてみる

では、自分がどれくらい小さな出費を意識していないかの「ラテマネー無意識度」を、下記10項目に〇、×をして確認してみよう。

1. マイボトル持参はダサイと思う
2. 特に用もないのにコンビニに行ってしまう
3. 通信費の見直しは面倒だからしたことがない
4. 忙しいから時間外にATMから出金するのはやむを得ないことだ
5. 自販機を週に3回以上利用する
6. 欲しいものは、バーゲンを待たずに即購入する
7. 価格.comを知らない
8. こだわりのコーヒーは専門店でないとイヤだ
9. 今、財布にいくら位入っているかわからない
10. 割引クーポン、ポイントカードは活用しない

〇が多ければ多いほど、「ラテマネー」など小さな出費を意識せずに過ごしているお金が貯まらない体質であるといえよう。