10月17日は「貯蓄の日」。1952年に日本銀行が勤労の収穫物であるお金を、無駄遣いせずに大切にしようという意味を込め制定されたそうです。由来は、10月17日に伊勢神宮でその年に収穫された穀物でつくったお酒などを収穫への感謝の気持ちを込めてまつる神嘗祭(かんなめさい)だとか。
FPである筆者のもとには、「貯めているけど貯まらない」というご相談が多くあります。お話をうかがうと、なんとなく貯めていても、なんとなく使ってしまうので結局貯まらないという方が多いようです。
「貯蓄の日」をきっかけに、自分の勤労対価である大切なお金を1000万円貯金する目標をたててみませんか?成功するためのコツをご紹介していきましょう。
コツその1:貯金したい金額を決めよう
「何かのために」と具体的な目標金額を設定しないまま「なんとなく」貯金していませんか?
目標がないと、旅行、家電が壊れて買い換える、ご褒美エステなど「なんとなく」貯金を使いがちです。具体的に貯金したい金額を決めることでなんとなく取り崩すことを抑制することができますね。
1000万円を25年間で貯めたいのでしたら、1ヶ月3万3333円ずつ貯金すると目標達成することができます。いつまでにいくら貯金したいか金額を決めることから始めましょう。
コツその2:支出を管理して貯金しよう
貯金を取り崩してしまうワースト1の原因が「臨時支出」です。
突発的に発生する支出を臨時支出といいます。突然友達から結婚式のお招きがきて3万円、海外旅行に誘われて25万円など思いがけない出費があると大切に貯めてきた貯金を取り崩さなくてはいけない状況になってしまいます。貯めたいお金と臨時支出は別々に管理することが貯金をとりくずさないコツです。
2年くらい先までの臨時支出を書き出してみましょう。例えば、このようなイメージです。
・車税(5月)3万4500円
・車検(2年に1回)10万円
・帰省(1年に1回)8万円
・慶弔交際費 おおよそ年間6万円
・旅行(1年に1回)20万円
・保険料年払い(8月)13万円
このケースでは、1年あたりの臨時費用は51万4500円です。1ヶ月で割り戻すと4万2875円が臨時支出としてでていく計算になります。意外と多いですね。一時的に大きな支出が発生する費用は意外と多いもの。
この1ヶ月あたりの金額4万2875円を臨時支出用に別管理してプールしておけば、とっさの時にこの枠から支出することができ、本来貯めていきたい貯金を取り崩さずに済むのです。
とはいえ、1ヶ月4万円以上臨時費用のためによけておくことは難しいかもしれません。そこで、旅行費用20万円はボーナスで行くことにすると、1年あたりの臨時費用は31万4500円となり1ヶ月あたり2万6208円となり、実行しやすくなりますね。
2年くらいの期間での臨時支出をイメージして、1ヶ月あたりに割り戻したおおよその金額をプールして突発的な支出で貯金を取り崩さないための対策をしていきましょう。
コツ3:貯金用の口座を作ろう
銀行の口座はいくつお持ちですか?
給与振込や電気代などの固定費を引き落としする日常生活決済を行う口座1つしかない場合は、なかなかお金が貯まりません。結婚式へのご招待など思いがけない出費で引き出したり、忘れていたカードでの買い物の請求がきて引き落とされたりして気がついたら貯金がなくなっているということになりかねません。
貯めたいお金は貯金専用の口座を作って、日常決済される口座と別管理するとよいでしょう。また、先ほどご紹介した「臨時費用」のお金も別の口座をもつと管理しやすいですね。通常決済用、貯金用、臨時費用用、やりくり貯金用の4つの口座があります。やりくり貯金とは、クーポンを利用してレストランで500円引きになったら、やりくりしたご褒美として500円貯金するものです。日々のやりくりや、懸賞などに当たってレジャー費が浮いた時も貯金。
がんばったご褒美ですから、使い道も自由に好きなものを買ったりするときに使うお楽しみにしています。
コツ4:貯金の使い道を設定しよう
「老後のために1500万円」「車の購入に200万円」「とりあえず1000万円貯めたい!」。どんな理由でも良いので、具体的な使い道を設定しましょう。ただなんとなく将来のためと漠然と貯金していると、曖昧な目的で使いがちです。いつまでに何のためにいくら貯金したいのか。明確な使い道を設定することが大切です。
いかがでしたか?「あまったら貯めよう」ではなかなか貯金はできません。
しっかりと目標金額・使い道を設定して、支出を管理していくこと、支出を管理して貯金用の口座を作ることが貯金のコツです。低金利でほとんど金利がつきませんので預け先の選択も大切です。投資信託や保険やネット銀行など金利にも目配りして貯金を成功させていきましょう。
稲村 優貴子
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、心理カウンセラー。2002年にFP資格を取得し、独立。現在「FP For You」代表。テレビ・新聞・雑誌などのメディアでも活躍中。「FP Cafe」登録FP。
(提供: DAILY ANDS )
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