お給料が伸び悩む中、税金や社会保険料の負担は増すばかり。加えて、超がつくほどの低金利の今、預貯金に預けていても全くお金は増えません。お金を増やすには投資するしかない! と思っている人も少なくないと思いますが、投資はハードルが高いもの。そこで、税金を味方につけて、リスクゼロで資産を増やす方法をご紹介します。

マイナス金利時代のお金を増やす方法とは

マイナス金利が導入され、現在の預貯金の金利は0.001%。金利ゼロといっても過言ではない状況の中、預貯金だけに預けていてもなかなかお金を増やすことはできません。

では、お金を増やすにはどうしたらよいのでしょうか?「投資する!」という声が聞こえてきそうですね。確かに投資は預貯金では実現できないような大きなリターンを得る可能性があります。ただし、失敗したときは、資産を増やすどころか大きく減ってしまう可能性もあります。

そこで初心者の人にオススメしたいのが、「税金を味方につけてリスクゼロでお金を増やす」という方法。税金の知識を身につけることにより、納める税金の額をぐっと減らし、お金を増やすことができます。

生涯賃金の「4割」が税金、その他でとられている!

では、そもそも税金はどれくらい取られているのでしょうか?例えば、大卒の男性の生涯賃金は約2億5000万円といわれていますが、そのうちの実に約4割が税金や社会保険料で差し引かれます。額面が約2億5000万円だとすると、約4割にあたる1億円もの金額が税金や社会保険料で差し引かれてしまうのです。

賃金から引かれる主な税金には、「所得税」や「住民税」があります。そして、税金としてとられるお金はこれだけではありません。物を購入すると消費税8%、酒税・ガソリン税、たばこ税、自動車税、相続税、贈与税など、私たちは知らないうちに次々と税金を支払っています。このように税の種類を挙げていくと、生涯賃金のうち、社会保険料と合わせて約4割が引かれるということが見えてきますね。

この支払う税金の金額を減らすことができれば、その分のお金が確実に手元に残ります。 「収入−税金&社会保険料(この2つを引かれる分を小さくする)=資産が大きくなる」

この「引かれる部分」の割合をできる限り小さくし、毎年積み重ねていけば、プチリッチになれる可能性が十分高まるというわけです。

「控除」をフル活用して、税金を取り戻す!

引かれる部分の割合を小さくするには、税金の優遇制度である「控除」をフル活用すること! 控除には、基礎控除、医療費控除、社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除、寄付金控除などがあり、所得控除といわれるものは14種類もあります。

例えば、来年1月から主婦や公務員も加入できることで話題の確定拠出年金も掛け金が全額所得控除になります。サラリーマン家庭を例に、確定拠出年金を活用した場合とそうでない場合では、支払う税金にどれくらいの差がでるのか見てみましょう。

夫の年収   600万円
妻専業主婦
・給与所得控除 174万円
・基礎控除 38万円
・社会保険料控除 82万円
・配偶者控除 38万円
・生命保険料控除 4万円
・医療費控除 5万円
計 341万円

確定拠出年金は企業型の場合、マッチング拠出を利用すれば、限度額月5万5000円、年額66万円の積み立てができます。つまり、掛け金の66万円分が控除されるのです。前述の控除額341万円と合わせると、控除額は407万円になります。

年収から控除額を差し引くと、600万円−407万円=193万円

所得税は5%になるので、193万円×5%=9万6500円

一方、確定拠出年金を活用しないケースをみてみましょう。控除額は341万円。年収から控除額を差し引くと、600万円−341万円=259万円

所得税は10%になるので、259万円×10%−9万7500円=16万1500円

では、確定拠出年金を利用している場合と比べてみましょう。 16万1500円−9万6500円=6万5000円

確定拠出年金を活用した方が所得税だけで6万5000円もお得なのです。

この金額には住民税の10%(66万円×10%=6万6000円)が加算されます。つまり、年間で13万1000円もの税金が戻ってきます。加えて、20年から30年の長期にわたって控除を受けることができるので、仮に30歳で確定拠出年金をスタートさせて30年間控除を受けられたとしたら、30年間で393万円(13万1000円×30年)も税金を取り戻すことができます。   他のケースでも、控除を活用するとどれくらい税金が安くなるのかは、7月26日に河出書房新社より発売された『税金を減らしてお金持ちになるすごい!方法』の中で具体的にシミュレーションをしていますので、ぜひ、参考にしてくださいね。

意外に知られていない195万円の壁

主婦の方がパートで働く場合に気にする「103万円の壁」「130万円の壁」は有名ですが、意外に知られていないのが「195万円の壁」。

そもそも税金は、収入にまるまる掛かるわけではなく、収入からさまざまな控除を差し引いた「課税所得」に対してかかるもの。ポイントは、課税所得の金額により所得税の税率が変わるところです。

課税所得金額が195万円以下の場合、税率は5%、195万円を超え、330万円以下は10%、330万円を超え、695万円以下は20%となります。

前述の例でも確定拠出年金を活用して控除金額を増やすことにより、所得税の税率が5%になりました。所得税の税率が5%なのか、10%なのかは大きな違いですよね。5%から10%の境になる数字が「195万円」というわけです。

お金の知識があることで得をすることはたくさんあります。この機会にぜひ、税金について勉強してみてはいかがしょう。

高山 一恵
Money&You取締役、ファイナンシャル・プランナー(CFP)。2005年に女性向けFPオフィス、エフピーウーマンを設立、2015年から現職。全国で女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。 FP Cafe を運営。

(提供: DAILY ANDS

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