あなたが最後に健康診断を受けたのは、いつのことだろうか。会社勤めをしている人であれば、たいがいは会社が行なっている年1回の健康診断を受診していることと思う。だが、健康診断を受けて問題がなかったとしても、安心するのは早い。なぜなら、健康診断の結果が良かったとしても、それが必ずしもあなたの健康を保証してくれるとは限らないからである。
健康診断では「がんは発見できない」
脅すわけではないが、健康診断を受けただけで安心してはいけない。もともと、会社が健康診断を行う理由とは2つある。ひとつは、会社の業務によって、社員の健康が損なわれていないかどうかをチェックするため。もうひとつは、社員の生活習慣病などがないかを確認するためである。
厚生労働省による労働安全衛生規則の第44条(定期健康診断)に、「事業者は常時雇用する労働者に対して、1年に1度、医師による健康診断を義務付けている。その項目とは「1、既往歴及び業務歴の調査」「2、自覚症状及び他覚症状の有無」「3、身長、体重、視力、聴力検査」「4、胸部X線及び喀痰検査」「5、血圧測定」「6、貧血検査」「7、肝機能検査」「8、血中脂質検査」「9、血糖検査」「10、尿検査」「11、心電図」である。
この検査項目を見れば、通常の健康診断が、がんなどを発見するためのものではないことがお分かりだろう。もし、一般的な健康診断だけでがんが発見されたら、それはとても「ついている」といっていい。実際は、正式ながん検診でも、がんが発見できないことはざらである。
がんは「早期発見」が鍵
現在、医学の進歩には目覚しいものがある。それでも、がんが発病する要因は複雑多岐にわたっているため、いまだにがんの確実な予防法は見つかっていないのが現状である。
がんを発見するために、一般に行われている検査といえば、胃カメラや血液検査、造影検査やレントゲン、PET検査、細胞診断などがある。しかし、どれも身体に何かしらの負担がかかるため、受けて健康が増進することはない。
今のところ、有力な予防法を持たないがんは、「早期発見」と「速やかな治療」がもっとも効果的な対処法である。つまり、なったとしても生存確率が高い選択をするということだ。