高齢年金
(写真=PIXTA)

年金制度は複雑で分かりづらいと感じている人は多い。一口に年金と言っても、その種類は様々であり、支給額の計算方法も異なっている。公的年金だけではなく、私的年金にも加入している方はなおさらである。確かに年金制度は「シンプル」とは言い難いものである。ただ、自身が毎月支払っている保険料がどのようなものなのかについて、理解を深めておくことは決して無駄ではない。

少しでも年金を身近に感じてもらえるよう、今回は年金の基本である老齢年金というものについて、受給に必要な要件や手続きについて解説をしていく。


老齢年金とは

老齢年金とは、一定の年齢に達することで支給される年金のことを指して用いられる言葉である。私たちが普段イメージしている年金は老齢年金のことである。年金とは、毎年定期的、継続的に給付される金銭のことである。つまり、老齢年金は高齢になった際に支給される年金、と言うことになる。

ではなぜ、わざわざ老齢年金というかというと、それ以外の年金が存在するからである。それ以外の年金には、遺族年金や障害年金といった万が一の時に支払われるものがある。それらと区別するために、老齢年金と言う言葉を使用している。

公的年金における老齢年金には、国民年金による「老齢基礎年金」と厚生年金による「老齢厚生年金」がある。

受給要件 受給開始時期と計算方法

老齢基礎年金の場合、20歳から60歳までに保険料を25年以上納めたものが受給対象となる。ただし、来年2017年10月からはその期間が10年に短縮される。受給開始時期は原則65歳となっているが、60歳からの受給も可能である。60歳から受給を開始した場合には、その支給額は減額されることになる。また、70歳までの間で受給を遅らせた場合には、年金額が加算される。自身の寿命はわからないが、長生きすればするほど、受給時期を遅くした人が多くの年金を受け取ることができる。

では、老齢基礎年金の受給額の計算方法について見てみよう。まず、現時点での年金の満額は78万100円である。満額を受け取るためには、40年間保険料を納め続ける必要がある。途中で免除を受けていた場合には、免除額に応じた割合で減額される。

78万100円×(保険料納付月数+免除月(※)÷480)=支給額

※免除月は、「全額免除月数×8分の4」+「4分の1納付月数×8分の5」+「半額納付月数×8分の6」+「4分の3納付月数×8分の7」

老齢年金の手続きの流れ

では、実際に年金を受け取る年齢になった場合、どのような手続きが必要なのだろうか。

まず、大前提として年金は自身で請求申請を行わない限り受け取ることはできない。スムーズに申請ができるように準備をしておくことをお勧めしたい。

支給年齢になる3か月前に日本年金機構から「年金請求書」というものが送付される。その書類に必要事項を記入し、必要書類を添えて年金事務所に提出をする。必要書類には、年金手帳などの基礎年金番号が記載されているもの、振込を希望する金融機関の預金通帳、住所等を確認できるものとして戸籍謄本、戸籍抄本、戸籍の記載事項証明書、住民票、住民票の記載事項証明書のいずれかを用意しておこう。

その後、年金証書と年金決定通知書が送付され支給が開始する。

遺族厚生年金と老齢年金の関係

被保険者であったものが亡くなった場合、要件を満たす場合遺族厚生年金が支給される。同時に受け取ることができるのは、同じ種類の年金だけとなっている。つまり、遺族厚生年金と遺族基礎年金を受け取っていた人が、60歳から特別支給の老齢厚生年金を受け取る場合は、どちらかを選択しなくてはならない。

しかし、特例として2つ以上の年金を受け取れるケースもある。遺族基礎年金と遺族厚生年金の受給を受けていた人が、65歳になった時、遺族基礎年金と老齢基礎年金を受け取ることはできないが、老齢基礎年金と遺族厚生年金は併せて受給することができる。

障害年金との併用

こちらも一人1年金の原則であるが特例がある。遺族基礎年金と遺族厚生年金を受けている人が障害基礎年金を受けと時には、遺族基礎年金と障害基礎年金を併せて受給することはできない。65歳以後障害基礎年金と遺族厚生年金は併せて受給することができる。

老齢年金の最大の注意点

最大の注意点としては、受給開始年齢に達したら必ず申請を行うことである。そうしなくては、今まで納めてきた保険料は無駄になってしまう。遡って請求をすることもできるが、5年を経過してしまうと、それ以前の分は支給されないので注意してほしい。

受給開始前には必要なものを準備しておくことも必要だろう。年金手帳を紛失してしまったなど、基礎年金番号がわからなくなっていないか確認しよう。年金手帳は再発行が可能である。紛失してしまった場合には、早めに再発行の申請をしておこう。

まだまだ先のこと、と考えている方も是非定期的に加入内容について確認をしてほしい。特に、加入期間、厚生年金であれば保険料額などに注意を払いたい。