普通預金,銀行預金
(写真=PIXTA)

普通預金口座を持っていない、という人はまずいないだろう。しかし、他の預金との違いやその性質、金利等についての理解を持っている人となると、その数は大幅に減るのも事実である。

また、「マイナス金利」が導入されて以来、自身の預金に利息がかかってしまうのではと不安を持っている方もいるかもしれない。現状では、我々が利息を支払うことはないが、金融機関の金利について意識を向けることは大切なことである。

今回は、最も身近な預金である普通預金について、その特徴や金利を中心に解説していく。ぜひ、これをきっかけに普通預金への理解を深めていただきたい。


普通預金とは

普通預金とは、自由に預け入れ、払い出しができる預金口座のことを指して言う。普通預金以外にも、当座預金や定期預金など一口に「預金」と言ってもその種類は様々である。

普通預金は、通常給与や年金の振り込み、引き落としなど私たちにとって最も身近な預金である。流動性のある資金を預ける口座とも言い換えることができるだろう。普通預金にも金利がつくことはご存知だろう。同時に、普通預金の金利は「ないに等しいレベル」であることも知られている。

つまり普通預金は、通常の生活のために資金の出し入れを行う口座である。貯蓄よりも決済に向いている口座と言えるだろう。

普通預金の金利について

普通預金も実は、金融機関の一つの商品なのである。我々が預けた資金を金融機関は運用する。それにより、利益を生み出し、金利というかたちで還元を行っている。

日本では日銀が「マイナス金利」を導入した。我々が預金をすることで、利息をとられることは現状ではないが、各金融機関が日銀の口座に預けている資金はマイナスの金利、つまり利息を払っている状況だ。こう聞くと、我々には直接関係がないように感じる人も多いかもしれないが、その利息分を金融機関は補填しなくてはいけない。それにより、金融機関によっては預金金利の引き下げや、手数料を多くとるなど間接的な影響を被っているということはある。

日本は世界的に見ても、低金利な国として知られている。このマイナス金利政策により、ますます普通預金の金利は、期待できるものではないというのが現状である。ただし、現在では店舗を持たないネット銀行も主流になってきた。そうした金融機関では、店舗を持たない分高金利を打ち出しているところも多い。

普通預金のリスク

「普通預金は元本が保証されているので安心」というのは、実は間違いである。普通預金には、大きく2つのリスクがあると言われている。1つは金融機関の破綻だが、それについては事項で詳しく説明する。

2つ目のリスクは、「目減り」のリスクである。為替や物価は常に変動している。目減りとは、現在の100万円が10年後に同じ価値を持っているとは限らない、という意味合いで使われる。

例えば、明治時代と現代とでは1円で買えるもの、できることは大きく違っているのは誰もが知っていることだろう。同様に、現在の貨幣価値は将来の貨幣価値と同一であることはまず考えられない。普通預金は、そうしたリスクに弱い側面があるのだ。

もう少し詳しく説明すると、特に円安、インフレ時のリスクが大きいと言われている。円安というのは、円の価値が相対的に下がることで、1米国ドルが100円だったものが110円になれば円安、つまり1米国ドルと交換するために100円だったものが、110円必要になるということだ。様々な考え方があるが日本は輸出産業に強いため、円安状態が望ましい状態とされている。

今後、円安に向かうとすれば、預金をしている金額の価値は相対的に下落することも考えられる。

また、インフレとはご存知の通り物価が上がっていく状態である。1000円で食べることができたランチが、数年後には1500円払わなければ食べることができなくなる状態などが挙げられる。普通預金は、常にこうしたリスクにさらされているのである。

ペイオフを解説

普通預金は原則、元本が保証されている。「原則」という言葉を使ったのは、実は保証されない場合もあるのだ。それは、金融機関が破産した場合である。

あなたがもし、1000万円以上の預金をしていた場合には、保障される元本は1000万円までとなっている。それを「ペイオフ」という。ペイオフは、預金保険法という法律により保護されているもので、預金保険機構という機関によって、1000万円までの預金とその利息が直接預金者に支払われることとなる。

1000万円以内の預金であれば問題はないことになるが、1000万円以上の預金がある場合には、金融機関の経営状況に注目し、場合によっては預金先を分散させることも必要だろう。

ペイオフは、時代によって変化してきた。預金保険機構が設立した1971年には上限が100万円であったが、徐々に引き上げられ現在では1000万円とその利息まで保護の対象となった。

2010年の日本興信銀行の経営破綻の際に初めてペイオフが発動した。預金保険機構が設立して以来、今のところその1件のみがペイオフの対象となった。つまり、金融機関もペイオフの事態を避けるために、予防に努めているということになる。

7種の銀行預金とは

銀行預金には、普通預金を含め7つもの種類が存在する。普通預金は、先ほど説明したように生活用の口座、決済用の口座としての側面が大きい。

まず定期預金は、預け入れ期間が決まっており、満期までは原則引き出すことができない預金である。そのため、普通預金に比べ、金利が高いのが特徴である。

次に総合口座とは、普通預金と定期預金のメリットにプラスαした預金口座である。普通預金のように、支払いや資金の出し入れが可能で、さらに貯める機能も備わっており、その名の通り、総合的な資金の管理ができる口座である。

一般の方はあまり縁のない当座預金は、主に手形や小切手の支払いのための預金口座である。当座預金には利息がつかないが、その代わり預金保証制度ペイオフで全額保証されるのが特徴である。

貯蓄預金というものもある。定期預金と混同しがちだが、こちらは残高が一定以上の金額である場合に、普通預金より高金利を受け取ることができる口座である。

大口定期預金は、1000万円から預け入れ可能な定期預金で、一括で預け入れを行う。期間、金額に応じた金額が設定されているのが特徴である。

最後に積立定期預金は、計画的に資金を貯めていきたい人が利用する口座である。例えば、子どもの進学費用や、住宅購入費用などのために、毎月一定額を積み立てていく。積立ごとに、満期までの金利が決まるのが特徴だ。

定期預金と普通預金の違いは?

普通預金と定期預金との最大の違いは「自由に引き出しができるかどうか」である。

普通預金は、自由に預け入れや引き出しを行うことができるが、定期預金の場合には原則満期時のみ引き出しが可能である。つまり、決められた期間を経なければ、預金を払い出すことができない。

一般的には定期預金の方が高金利になっている。普通預金は変動金利をとっているのに対し、定期預金では固定金利をとっている金融機関が多い。

定期預金でも、途中解約することも可能だがその場合には、金利が付かないといったこともあるので、慎重に判断したい。

普通預金と定期預金はどう使い分けるのか

普段の生活で使用する資金については、普通預金を利用する。余剰資金として、将来のために貯蓄を行いたい場合には、定期預金を利用するのは鉄則である。

収入が安定しており、毎月確実に一定額を捻出できるのであれば、高金利の定期預金を選ぶというのは得策である。しかし、大きな資金が必要になる可能性がある場合など、万が一の場合に備えるためには、必ずしも定期預金が適しているとは言いがたい。

三大メガバンク、ネット銀行、ゆうちょ銀行、どう選ぶか

では普通預金口座を作る場合に、具体的にどのような基準で選べばいいのだろうか。ポイントとなるのは、「手数料」「金利」「利便性」である。

普通預金に預け入れを行ったり、引き出す際には時間外の手数料がかかる。また、振り込みを行う際にも手数料が発生する。もちろん、銀行の空いている時間であれば、原則入出金手数料がかからなかったり、同行であれば手数料がかからない金融機関もあるが、出し入れと決済を前提とする普通預金においては、その手数料の差はかなり大きいだろう。

三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行は三大メガバンクと言われ、安定した経営を行っている点からも信頼感がある。それに加え、ゆうちょ銀行も利用者が多い。これらの店舗型の金融機関は、どこにでもあるという利便性と、窓口での人を介したやり取りができる安心感の面でアドバンテージがある。

一方、手数料や金利の面でネット銀行に劣る部分もある。ネット銀行では、一定回数までの出し入れの手数料や、振り込み手数料も無料というところも存在する。ただし、一定回数以上の場合には通常の銀行の営業時間内でも手数料が発生するという形式をとっているネット銀行もある。金利についても、概ねネット銀行はメガバンクに比べ優遇されていると言える。

なんとなく口座を作ってみた、という方は多いかもしれないが、どの金融機関を選ぶかによって、小さな積み重ねの部分で差が出てくる。「手数料」「金利」「利便性」のどれを優先するのか、自身の生活を見直し、新たに口座を作ってみるのも賢い選択であろう。

自分にあった銀行を見つけよう

普通預金は我々に最も身近であるが、意外と知らないことが多いということに気付いた方もいるだろう。当然のように銀行を利用しているが、普通預金一つとってみてもかなり奥の深い世界である。ネット銀行の登場により、大手の金融機関との競争が生まれている。選択肢は多くあるが、各個人によって適した金融機関は異なる。ぜひ、自分に合った金融機関を探してみてほしい。