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(写真=PIXTA)

利便性から近年注目を浴びている福利厚生のアウトソージングですが、今回は福利厚生を外部委託するメリット・デメリットとその対策を考察・解説します。

アウトソーシングにするメリット

1. 時間の短縮と手間の簡略化

福利厚生を導入する上で、「どのような制度を導入し、運営するのか」を考えて実施するのは、手間と時間がかかります。

代行業者の中には福利厚生プランを個別にではなく、パッケージ化して提供している業者も多くあります。個別プランの場合は自社に足りない福利厚生を追加で導入、もしくは「有給消化システムの導入」といった簡易的な福利厚生導入に使われます。またこれらを複数組み合わせることで、福利厚生システムを構築します。

パッケージプランは、「こういった福利厚生体制を敷きたい」という要望を満たすために必要な個別案件を束ねて一つの商品としたものです。意向を提示すれば、それに合った適切なプランニングを受けることができ、時間の短縮につながります。

2. 低コスト化

導入事例の中には、「福利厚生をアウトソーシングすることで運用費用が下がった」という声も多く聞かれます。これは代行業者が「サービスの仕入れ窓口」としての役割を持っているためです。

通常、中小企業において福利厚生の充実が敬遠される理由の一つが「コスト」でしょう。数万人規模の社員を誇る大企業と比べると、100人にも満たないような規模の中小企業は、どうしても「一人あたりのコスト」が大きくなりがちです。これを解決するのが代行業者です。代行業者が窓口となり、さまざまな規模の企業を束ね、総注文価格を大きくすることで「一社あたり・一人あたりのコスト」を抑えられます。

代行業者が多くの企業の福利厚生の受け皿となることで、多様で高品質なメニューを低価格で提供することが実現します。企業は福利厚生資産を持つ必要もありません。これもアウトソーシングを活用する大きなメリットと言えるでしょう。

3. データにもとづく効率的かつ安定的なシステム運営

経験がある福利厚生代行業者は当然、「こういった福利厚生サービスを導入したことにより効果が出た・出なかった」といった「実績データ」を保有しているものです。このため、効率的なプランを提案してくれますし、また効率的で安定的に実施してくれます。

福利厚生アウトソーシングのデメリットと解決策

1. 利用状況によってはコストがかさむ

企業の形態や規模に合ったプランを選ばないとコストがかさむこともあります。社員の人数単位で一定料金を支払う「パッケージプラン」の場合、利用者が少なければ社員満足度が低くてもコストが発生し、結果として無駄な出費を増やしてしまいます。

これを防げるのが「カフェテリアプラン」です。パッケージプランのように「一人あたりの単価」を業者に支払うのではなく、社員が「カフェテリア」のように、提示されたメニューから好みの福利厚生プランを選ぶことで、その利用料金を個々の予算から減産していくというシステムとなっています。

福利厚生を用意しても、社員のニーズに合わず利用がなければ費用は無駄になってしまいます。特に個々により利用頻度の変動が激しいレジャー系に関しては、カフェテリアプランを選ぶことで不要な出費を抑えられます。

2. 繁忙期にレジャー確保ができない

宿泊施設などを利用するプランの場合、小口契約の中小企業よりも大手の企業が優先してレジャー枠を抑える傾向にあり、一部アウトソーシング業者ではトラブルが発生しています。もちろん中小企業を対象にサービスを提供している場合でも、キッチリと枠を確保できている業者も存在していますが、やはり大口でネームバリューのあるところのほうが施設を押さえやすいようです。

福利厚生だけでなく労働問題も年々厳しくなっており、特に日本の有給休暇消化率の低さは世界屈指です。そこで提案されているのが「レジャー施設+有休消化」をセットにした福利厚生プラン。これは有休を消化しやすい福利厚生システムを構築しつつ、レジャー施設を提供することで、繁忙期以外の時期の施設利用を促し、なおかつ有休消化によって経営者・従業員ともに健全な労働環境を確保しようというプランです。このセットプランを利用することにより、休暇=繁忙期に施設を使えず、結果として「払い損」になることを防いでいます。

以上のメリットとデメリットを参考にして、適切な福利厚生の導入を目指しましょう。(提供: フクリ!

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