増税,時期,10
(写真=PIXTA)

消費税が8%に増税されてからしばらく経ち、10%に増税される日も近づいている。一度は延期された10%への増税だが、再々延期される可能性は無いのだろうか?また、増税の背景には何があるのか、増税に伴ってどのような影響が考えられるのか、消費税増税に関する気になる点をご紹介していく。


消費税増税の背景

なぜ消費税が増税されるのか、その背景にあるのは巨額の財政赤字だ。デフレーションによって減少した企業・個人の所得、社会保障給付金の増大などによる支出の増大、過去行ってきた減税政策などがその原因として挙げられる。赤字状態が年々拡大傾向にある今、財政の立て直しはもはや待ったなしの状況であり、徹底した歳出の見直しと税収の増大が必要だ。

ではなぜ法人税や所得税では無く消費税が増税されるのかという点だが、ここで少子高齢化という問題が出てくる。法人税と所得税は現役世代の働きに依存している税金のため、少子高齢化によって現役世代が少なくなると法人税と所得税による税収は期待できないのだ。

また増税の延期については、計画的なものであったと言われている。経済状況が良くない状況での増税は消費意識の減退につながり、状況を更に悪化させてしまう恐れがあるため、経済状況が改善されていることが増税の前提条件となる。しかし、日本経済の状況は企業業績、株価、為替、経済指標などを見る限り良い状況とは言えず、増税を実施するための土壌が整っていないことが分かる。

増税までに目指していることは何か

消費税10%への増税が延期された一方で、2020年度の基礎的財政収支を黒字化させるという財政健全化目標は維持している。この目標達成のための準備が増税までの目標となりそうだ。しかし、20年度には税収増加分の一部が反映されないという点から、ただでさえ厳しいとされていた目標達成が更に困難になったと言える。

消費税は消費者が支払った金額を企業が一旦、預かってから納付されるため、増税の時期と税収へ反映される時期にはズレが生じるのだ。また企業によって納付する時期や回数が異なるため、20年度の税収には全ての増税分が反映されず、満額の場合と比較して数千億円ほど目減りすると予想されている。

消費税が5%から8%に引き上げられてから、個人消費の低迷は続いている。10%への増税までに個人消費が上向きになる環境を整えられなければ、個人消費はさらに冷え込むことになり、税収が思うように伸びない原因となり得る。

増税分の税収を介護や年金などの社会保障政策に充てるとしているが、延期によってそれらの政策へ充てるための財源を確保するのも課題として残っている。子育て支援や介護などを盛り込んでいる1億総活躍プランを始めとした、安倍政権が掲げている重要政策の実施にあたっても、財源が大きな問題となりそうだ。

2019年10月、増税の影響は

増税された際の影響としてまず考えられるのは、低所得者の消費支出に関して悪化の影響が出るということだ。5%から8%へと引き上げられた際には、食料をはじめ住宅や交通、通信などにおいて大幅な悪化傾向が見られた。それだけ増税は国民にとって打撃であり、消費が冷え込む要因となり得るものということになる。

しかしその影響に対して何も対策を考えていないわけではなく、消費の落ち込みに関しては徐々に持ち直すと見られている。その主な要因は、低所得者向けの給付金や雇用・賃金の改善だ。高齢化や人口減少などによって人出が不足している今、短時間非正規雇用者から契約社員、正規雇用者の人不足へ影響が及ぶとされている。

低所得者に対する負担軽減策として支給される臨時福祉給付金は、平成26年度に住民税が課税されていないというのが要件となっており、ひとりにつき1万円が支給される。この他にも国の収入が増えることによって、社会保障制度の安定化や被災地の早期復興につながるなど、様々なところで増税の影響が出てくるだろう。

増税の影響についてメリットを主に挙げてきたが、当然デメリットも存在する。まず増税によって消費者の負担が増えることだ。高いものを買うほど増税の影響が顕著に表れ、消費者を苦しめる。そうなると消費者は支出を控えるため、自然と景気が悪くなっていく。サービスや物が売れなくなり、景気が悪化することによって倒産する企業や失業者も増え、自殺者が増加してしまう可能性も考えられるのだ。

このように増税の影響によって発生するメリットとデメリットを考えれば、税収が足りないからと安易に消費税を増税するのは良いこととは言えない、ということが分かるだろう。

消費税の10%への増税について、ただでさえ2020年の財政健全化目標を達成するのが難しいと言われている今、これ以上の延期はまず無いだろう。今後またリーマンショックの様なことがあれば再々延期も考えられるが、このまま何事も無ければ2019年に10%へ増税されると考えて良い。増税に備えて、今からできることをやっておくと良いだろう。

【編集部のオススメ記事】
2017年も勝率9割、株価好調の中でもパフォーマンス突出の「IPO投資」(PR)
資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
株・債券・不動産など 効率よく情報収集できる資産運用の総合イベント、1月末に初開催(PR)
年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)