元々得意だったことを思い出してみよう

この「自分の軸」を40代で定めることが、50代、60代と活躍し続けるためには不可欠だと清水氏は話す。

「そのためには、『自分が好きなことや得意なことは何か』を見つめ直すこと。私の場合は、文章を書くことと人前で話すことが自分の軸です。とはいえ、若い頃は仕事に追われ、そんなことはすっかり忘れていました。

しかし40代で仕事内容が大きく変わり、社内でのキャリアも先が見えてきたとき、『もう一度、自分の鉱脈を掘り起こしてみよう』と思ったのです。そして自分が得意なことを改めて考えたとき、学生時代に人前での発表や文章を褒められたことを思い出したのです。それで本を書くことから始め、講演や大学講師などの仕事にも活動範囲を拡げるようになったのです。

私がそうしたように、40代こそ、得意分野を伸ばしつつ、新たな挑戦をすべきとき。そうすれば、自分の可能性を広げていけるはずです」

清水克彦(しみず・かつひこ)文化放送プロデューサー
1962年、愛媛県生まれ。早稲田大学大学院公共経営学研究科修了。京都大学大学院法学研究科博士後期課程在学中。大学卒業後、文化放送入社。政治記者を経て米日財団フェローとしてアメリカ留学。帰国後、首相官邸キャップ、報道キャスター、情報ワイド番組プロデューサーなどを歴任。江戸川大学や育英短期大学で非常勤講師を務める。現在は報道デスクとして番組制作やニュース解説に従事するかたわら、政治と教育問題を取材し、執筆や講演にも力を注ぐ。著書は、ベストセラー『頭のいい子が育つパパの習慣』『頭のいい子が育つ10歳からの習慣』(以上、PHP文庫)をはじめ、『子どもの才能を伸ばすママとパパの習慣』(講談社)、『中学受験――合格するパパの技術』(朝日新書)、『安倍政権の罠』(平凡社新書)、『ラジオ記者、走る』(新潮新書)ほか多数。公式サイト http://k-shimizu.org/ (取材・構成:塚田有香 写真撮影:まるやゆういち)『 The 21 online 』2016年10月号より)

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