ポスト・イエレン,FOMC
(写真=Getty Images)

FOMC(米連邦公開市場委員会)が13、14日の日程で開催される。マーケットでは利上げは既に織り込み済みと見る向きが多く、市場参加者の関心は「来年以降の利上げペース」に集まっているようだ。

もっとも、ウォール街の市場関係者からは「イエレン議長の後任が誰になるのか気になる」との声も聞かれる。2017年以降の利上げペースもさることながら、次期FRB議長をめぐって様々な憶測が交錯する可能性がある点にも留意すべきであろう。

ウォール街で懸念される「年初の悪夢の再来」

フェドウォッチによると、12月のFOMCでの利上げ確率は95%(9日現在)となっており、利上げはほぼ確実視されている。

ちなみに、来年6月の利上げ確率は57%にとどまっているが、ウォール街では「来年2回程度の利上げを織り込み中」との意見が多く聞かれる。今回のFOMCでは2017年中の利上げ見通しがこれまでの2回から「3回」もしくは「4回」へと引き上げられる可能性も否定できない。

それでなくとも、2016年は米利上げとドル高で年初から下値波乱のスタートとなった経緯がある。2017年も「年初の悪夢の再来」が当然ながら懸念されている。ウォール街のあるファンドマネージャーからも「米経済はいま以上の金利上昇とドル高には耐えられないのではないか」と心配する声があがっている。

こうした経緯を踏まえ、利上げ見通しを上方修正する一方で、声明文をハト派にすることで利上げ観測の行き過ぎに対処するとの見方も少なくない。昨年12月のFOMCでは、金融政策の「正常化」への動きがやや前のめりとなっていた観は否めず、それが「年初の悪夢」を呼んだ側面もあるからだ。

声明文は「ハト派」的な内容となる可能性

今回のFOMCでは「年初の悪夢の再来」を回避するために、ドル高に対する懸念を表明するなどハト派的な内容を声明文に盛り込むことが考えられる。イエレン議長の「高圧経済」発言にみられるインフレ容認の姿勢がより鮮明になる公算もありそうだ。長期金利はすでに昨年12月の水準を上回っている。それだけに、金利上昇の影響を受けやすい住宅市場や自動車販売などへの警戒が示される可能性もある。

また、来年1月のFOMCからは投票権を持つ4名の地区連銀総裁が入れ替わる点にも注目したい。タカ派の急先鋒であるカンザスシティ連銀のジョージ総裁とクリーブランド連銀のメスター総裁が退き、ハト派中のハト派であるシカゴ連銀のエバンス総裁が新たに投票権を得る。全体として「ややハト派寄り」にシフトすることから、「利上げを急がない」との姿勢を打ち出しやすいメンバーとなりそうだ。