その後の運用成果はどうなった?

「ダイワ・スイス高配当株ツインα」は2014年3月から6月までの4期、毎月110円の分配金実績をつくり6月20日現在の基準価格は10263円で、前月末時点までの3ヶ月のリターンは3.28%です。対して「日興UBS日本株式リスク・コントロール・ファンド」は2014年6月20日現在の基準価格は9388円で、前月末時点までの3ヶ月のリターンは−3.29%です。ちなみにこのファンドは年一回12月の決算時のみに分配を行うためまだ分配金実績はありません。

こういった状況だけを鑑みて「ダイワ・スイス高配当株ツインα」がリターンが高いからとすぐに買い付けする方もいるかとは思いますが感心しません。逆に「日興UBS日本株式リスク・コントロール・ファンド」が基準価格を当初より下回っているから良くないファンドであると結論づけてしまうことも論外です。繰り返し述べますが、リターンの結果は「これまで」であり、あくまでも投資するのは「これから」です。「ダイワ・スイス高配当株ツインα」であれば、スイスの株式市況、株式指数オプション市況、スイスフランの対円為替レート、スイスフラン円の為替オプション市況、それぞれがこれからどうなるのかを分析しなければなりません。「日興UBS日本株式リスク・コントロール・ファンド」も同様に細かく運用リポートを読み込み、投資対象としている銘柄を分析するなどして投資判断していく必要があります。

NISAとともに

2013年にこれだけの多くの投資信託が設定された背景には2014年年初から開始したNISAでの利用を想定したことによるところが多いと考えられます。中期から長期で保有することが多い「投資信託」というものはNISAとの相性は非常に良い商品です。さらにデリバティブが組み入れされたファンドが次々と登場したことは投資家側の知識や判断力、相場見通しの能力が問われることになります。しかし、そこで享受できるリターンは通常の投資信託より大きなものになるでしょう。比較的ハイリスクハイリターンとなるデリバティブ投資信託、上手く資産運用の中に取り入れデリバティブの恩恵を受けてみてはいかがでしょうか。