NISAの目的と恒久化

政府広報オンラインによると、NISAが導入された理由の一つは、「将来への備えとなる資産づくりの促進(家計の安定的な資産形成の支援)で」、NISA制度をきっかけに、将来に向けた資産形成に取り組むことが期待されています。もう一つの理由は、「経済成長のために家計の金融資産を有効活用(家計からの成長資金の供給拡大)」です。そして、貯蓄から投資されることで、経済が成長するとともに、家計も潤い、さらなる投資につながるという好循環を生み出すことが期待されているそうです。

NISAが終了しても、資産形成への取り組みや投資が続けられる可能性もありますが、資産形成への取り組みを止めてしまう人が出る可能性や、株とファンドに投資された資金が再び貯蓄へ戻る可能性もあります。しかし、NISAが恒久化すれば、資産形成と投資の継続が期待できるため、趣旨に沿うものといえます。


NISA恒久化の見通し

それではNISA恒久化が決定されない理由は何でしょうか。税収が減るという理由もありそうですが、貯蓄から投資されることで、経済が成長することを期待するのであれば、その分の税収は増えるとも考えられます。また、NISAが期間限定となった理由は、富裕層を優遇する結果とならないようにとも言われています。別の案として非課税枠を3倍に拡大することも検討されていますが、1年に300万円投資するよりも期間を延ばすほうが、所得や貯蓄が少ない方にとって投資しやすいように思えます。

恒久化については今後の効果などを見て決定されるとのことで、見通しは発表されていません。しかし、2014年5月30日の日経新聞によると、国際通貨基金(IMF)は、「企業部門へのリスク資本の供給拡大を増やすため、NISAについて期間制限を延長し、投資枠上限を引き上げるべきだ」と表明しました。NISAが恒久化すると、毎年非課税枠が利用できるため、将来の資産形成が可能となります。また、ロールオーバーしやすくなり、非課税枠を生かせます。

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