勝間和代,収納破産,解消,整理術
(写真=The 21 online/勝間和代(経済評論家))

捨てるかどうか迷うモノは、捨てても困らない

多くのキャリア女性の憧れとして支持され、仕事も生活も完璧に見える勝間和代氏。しかし、今年出版した著書『2週間で人生を取り戻す!勝間式汚部屋脱出プログラム』によれは、ここ数年、自宅が散らかって「汚部屋」状態だったそうだ。そこから一念発起して部屋を片づけた結果、良いことが次々に起きたそうだ。いかにして汚部屋から脱出したのか、そのロジカルな整理術についてお話をうかがった。

モノの管理の考え方はお金の管理と同じ

「収納破産」――片づけられずに部屋が散らかった状態を、勝間和代氏は経済評論家らしい言葉でこう表現する。実は一年ほど前まで、勝間氏自身が収納破産状態に陥っていたという。そこから心機一転、モノを減らすことに取り組み、今ではホテル並みに片づいた部屋を取り戻した。「お金の管理もモノの管理も、基本的な考え方は同じ」と話す勝間氏。そのこころは……?

「収納破産とは、『収納の赤字状態』のことです。収納スペースを使い切ると、モノがあふれ出ます。私の場合、クローゼットやタンスに収まり切らない洋服が、ベッドの上だけでなく、ぶら下がり健康器もハンガー代わりに占領していました。収納に対してものが多過ぎたのです。

家計管理では、収入の範囲内で生活するのが当たり前ですが、収納となるとその当たり前のことができません。お金の収支に対するのと同じケアを、モノの収支に対しても意識しないと、部屋はどんどん散らかり、汚くなっていきます」

大事な服ほどぞんざいに扱いがちに

クローゼットを片づけようとして、勝間氏はある重大な事実に気づいたという。「普段あまり着ない服がクローゼットに収納され、日常よく着る服が外に散乱している」ということだ。

「いちばんよく着る服がぞんざいに扱われているのは、優先順位が間違っていると思いました。しかも、愛用の服は全体の二割程度で、いつも着るからボロボロ。一方で、普段着ない八割の服は、新品のまま収納スペースを占領している状態でした。この逆転現象は、おそらく人や時間に対しても当てはまるのではないでしょうか。つまり、本当に大事な人や物事に時間を使っていないということです」

部屋にモノがあふれているから、必要なモノが探せない。探せないから新しく買う。さらにモノが増えていく――。こうした悪循環が生み出す非効率やムダに加えて、最も深刻なダメージは「人生にやる気が起きないこと」だと勝間氏は話す。

「片づけられない、だらしない自分を毎日のように突きつけられるので、やる気も自信も失っていきます。唯一片づけられているのは、仕事で使うパソコンの前だけ。そこから動かないから、体重も増えていきました」