2016年10大ニュース,投資信託
(写真=Thinkstock/Getty Images)

いよいよ2016年も残りわずかとなった。振り返ってみると、銀行で金融商品の販売に携わる我々にとっても、激動の1年だった。2015年12月に米国が金利を引き上げたことから、マーケットは不安に包まれるなかで新年をスタートし、「トランプラリー」で終わりを迎えようとしている。

今回は、銀行の金融商品販売の現場から「2016年 10大ニュース」をお届けしよう。2017年を読み解く鍵がこの中にあるのかもしれない。

「日経リンク債」7年ぶり元本割れ

今年2月、「日経リンク債」の元本割れが相次ぐという珍事が起こった。

日経リンク債は日経平均株価が満期まで一定水準(ノックイン価格)を上回って推移すれば年3%前後の高い利回りを確保でき、元本も保証される。しかし、保有期間中に一度でもノックイン価格に到達すれば、償還時に「元本割れ」のリスクがある。

7年ぶりのノックインには、投資家はもちろんのこと我々銀行員も肝を冷やした。この商品を販売していた銀行員のほとんどはこれまでにノックインを経験したことがなかったのだ。

MMF、マイナス金利で「運用難」 全社が資金返還

1992年に運用が始まったMMFは安全性が高く、銀行預金に比べ利回りも高いことから2000年5月に残高は21兆円に達した。

しかし、その後は人気が下火となり、マイナス金利の影響を受け、安定した利回りを確保することが困難となった。そして、ついに取扱う全社が償還を決めた。マイナス金利の影響がここまで及んだかと思うと、ある意味感慨深いものがある。同時にマイナス金利がもたらす影響に一層の不安を抱いたのも事実である。

三菱UFJ銀行が「国債離れ」 入札の特別資格返上

三菱東京UFJ銀行が国債の入札に特別な条件で参加できるプライマリー・ディーラーの資格を国に返上した。

日銀のマイナス金利政策のもとで国債を持ち続ければ、損失が発生しかねないためだ。国債の安定消化を支えてきたメガバンクの「国債離れ」は、市場から大量の国債を買い上げてお金の量を増やしてきた日銀の異次元緩和に影を落とすことになった。

財務省とメガバンクの「鉄の結束」に綻びが生じるなど、我々銀行員には考えられないことだった。日銀のマイナス金利政策がこんなところにまで影響が及んできたのかと思うと、閉塞感を感じずにはいられない。

地銀の半数以上が「2025年3月期に本業赤字に」金融庁が試算

金融庁が全国106の地方銀行の貸出業務に伴う収益見通しを試算したところ、2025年3月期に赤字に転じる地銀が半数以上にのぼることが分かった。

人口減少に低金利が重なることで利ざやの縮小が加速し、本業では赤字に転落する地銀が相次ぐと予測したものだ。

多くの銀行員は薄々気付いていたが、低金利化の薄利多売のビジネスモデルはもはや限界に近づいていると言って良い。