USJ,ディズニー
(写真=PIXTA)

一時期の不調を脱し、近年は毎年過去最高の入場者数更新を続けるユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は、2017年2月8日から入場券を値上げすることを明らかにした。新料金は、大人(12歳以上)の1日券「スタジオ・パス」は200円アップの7600円、子供(4-11歳)の1日券は120円増の5100円となる。

これにより、東京ディズニ―ランドの大人(18歳以上)の1日券7400円を上回る。2015年にはUSJが初めて、東京ディズニーシーの入場者数を上回るなど、何かにつけて比較される2つのテーマパークだが、これまでの歩みからみても構造的な違いが浮かび上がる。

USJ、低迷期を脱して躍進

2016年度の入場者数も過去最高を更新する勢いを見せるUSJだが、これまでの道のりは決して順風満帆というわけではなかった。開業した2001年は年間来場者数が1100万人を突破し、新しいテーマパークとして存在感を見せつけたが、翌年には700万人台へと大幅に減少。その後、持ち直しの傾向が数年続くも1000万人には遠く及ばず、07年を境に再び入場者数の減少に悩まされ、09年には過去最低となる770万人まで落ち込んだ。

09年には、入場者数の落ち込みにより業績が悪化し、ゴールドマンサックスによるTOBを受け、東証マザーズから上場廃止となった。客足を取り戻すべく、新しいアトラクションへの投資を急ぎ、12年度には家族向けに「ワンダーランド」、13年度には逆さまで進むジェストコースター「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド~バックドロップ~」、そして14年度には「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」をオープン。

このハリー・ポッターのエリアには、当時の売上高の約半分の450億円が投じられた。新しいアトラクションへの投資が奏功し、入場者数は低迷期を脱してV字回復を見せ、15年度には過去最高となる1390万人に達した。

好調に推移する入場者数を受け、入場料金も段階的にアップ。開業時のスタジオ・パスは5500円だったが、06年5800円に値上げし、当時5500円だったディズニーランドの1日券を上回った。その後も値上げは続き、開業15周年を迎えた16年は7400円で、17年には8年連続となる値上げが控える。オープンから16年間で入場料は約38%アップすることになる。

ディズニー、安定した成長も入場者は頭打ち?

一方の東京ディズニーランドは、1983年のオープン以来、日本のテーマパークの代表格として、業界をリードしてきた。開園した年度の入場者数993万人を皮切りに、2年目には1000万人を突破、90年度には1500万人の大台に乗せ、98年度には過去最高となる1745万人を記録した。01年度には東京ディズニーシーがオープンし、東京ディズニーランドと合わせた東京ディズニーリゾートの入場者数は2000万人を超えた。13年度には3129万人と3000万人の大台に乗せ、14年度には3137万人とさらに記録を伸ばした。

その反動からか、15年度入場者数は3.8%減3019万人と、前年度割れとなり、過去最高の入場者数の記録を塗り替え続けるUSJとは対照的な結果となった。

伸び悩む東京ディズニーリゾートだが、入場者数の増減が激しいかったUSJとは異なり、開業以来、安定してその数字を伸ばしてきた経緯がある。

東京ディズニーランドの入場料は、オープン当初は3900円でスタートし、2年後には最初の値上げに踏み切り4000円台に。96年にはさらなる値上げで5000円台に乗せ、USJが開園した年には、5500円だった東京ディズニーリゾートの入場料にUSJが同調する形となった。

しかし、その後の値上げは、常にUSJが先行し、値上げによる入場者数への影響を考慮しながら、東京ディズニーリゾートも歩調を合わせてきた。16年4月には1日券の値上げに踏み切ったが、その上げ幅は500円に上った。値上げで先行するUSJと比較すると、値上げ幅はUSJの2倍以上となるのが特徴だ。

新施設への投資が起爆剤

引き上げられた入場料は、設備投資へと向かい、USJは17年4月に人気アニメ映画のキャラクターを中心とした「ミニオン・パーク」、さらには任天堂 <7974> のキャラクター・マリオが登場するエリアも20年までに完成させる見込みだ。さまざまなキャラクターやテーマが融合するUSJでは、USJのファンという概念ではなく、ハリー・ポッター、スヌーピーといったそれぞれのキャラクターや映画のファンを引き付ける。新たなファンを獲得し、入場者数を伸ばしていくには、新しいアトラクションへの投資が欠かせない構造だ。

一方、東京ディズニーランドも、18年春にイッツ・ア・スモールワールドがリニューアルオープンし、大ヒット映画「アナと雪の女王」のキャラクターが登場する予定だが、USJと比較すると、投資計画は控え目だ。東京ディズニーリゾートの来場者は、ディズニーそのもののファンが多く、大規模な投資で新しい来場者を開拓するUSJの戦略とは一線を画し、ディズニーファンに対し、テーマパーク全体でその世界観をアピールして、来場者の心をつかむ狙い。

構造的な特徴が異なる両雄だが、切磋琢磨してテーマパークの業界を盛り上げていくことができるか。あるいは両雄並び立たずとなるか、それぞれのビジネスモデルがもたらす結果から目が離せそうにない。(ZUU online 編集部)

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