「プロの代理店」とそうでない代理店がある

注意しなければならないのは、すべての代理店型で事故の際に「(申し込んだ代理店の)担当者が対応してくれるわけではない」ことです。

代理店は、2種類に分かれます。すなわち、(1)保険を販売する「プロの代理店」と、(2)自動車を販売する自動車販売店、及び修理工場などで保険を販売する代理店です。

自動車販売店は自動車販売のプロ、修理工場は修理のプロですが、必ずしも保険に詳しくはないかも知れません。事故の際に安心できるサポートを受けたいのであれば「プロの代理店」を選ぶのが賢明でしょう。

ただ、来店型の保険代理店の担当者も、保険には詳しくても、自動車事故には詳しくはない可能性もあります。判断基準は人それぞれですが、私自身は保険料の安いダイレクト型の保険を選んだ方がずっといいと考えています。

代理店の担当者は「誰の味方」なのか?

ところで、自動車保険の「プロの代理店」の人から、こんなエピソードを聞きました。やはり事故対応の相談を受けることが多いそうですが、あるお客様から「あなたは、私の味方ですよね?」と言われたそうです。

このとき、彼は言葉に詰まってしまったといいます。自動車保険の代理店は、保険会社からの販売手数料でビジネスが成り立っています。どちらの味方か? ということになると、保険会社の意向に沿わざるを得ない関係にあります。

もちろん、代理店にとっては契約するお客様も大切です。彼は「できるかぎり、お客様の立場にたって相談を受けることにしている」ということでした。

長尾義弘(ながお・よしひろ)
NEO企画代表。ファイナンシャル・プランナー、AFP。徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『こんな保険には入るな!』(廣済堂出版)『怖い保険と年金の話』(青春出版社)『商品名で明かす今いちばん得する保険選び』『お金に困らなくなる黄金の法則』(河出書房新社)、『保険ぎらいは本当は正しい』(SBクリエイティブ)、『保険はこの5つから選びなさい』(河出書房新社発行)。監修には別冊宝島の年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』など多数。