無印良品,業績
(写真=Getty Images)

シンプルかつ機能的なデザインで、衣料から日用雑貨、家具や食料品まで取り扱う「無印良品」を運営する良品計画 <7453> の業績が好調だ。2017年2月期第3四半期決算では、純利益が前年同期比16.7%増の199億9600万円に伸び、第3四半期決算として4期連続の最高益更新となった。個人消費に勢いがみられない中、着実に業績を伸ばす良品計画の強みはどこにあるのだろうか。

途切れぬヒット商品が支え

17年2月期第3四半期決算の内訳を詳しくみると、売上高にあたる営業収益は前年同期比8.9%増の2470億2700万円、営業利益は同14.5%増の296億5100万円、経常利益は同12.1%増の291億1100万円となった。前年同期と比較すると、それぞれの伸び率は鈍化したものの、しっかりとプラスを確保した。また、直近の17年12月の売り上げは、冬物のパジャマや靴下以外の衣料品が伸び悩んだが、生活雑貨や食品が好調に推移し、海外の供給を除き、全体では同4.5%増に落ち着いた。

幅広い商品を展開する無印良品は、ノーブランドの商品発想を原点に、着心地のよい衣服、使い勝手のよい生活雑貨、健康によい食品を世に送り出してきた。数ある商品のうち、定番品もあれば、改良を重ねて人気商品に登りつめるものもある。

例えば、今期では着心地にこだわって脇の縫い目をなくした衣料品シリーズのうち、パジャマがヒットして売上高に貢献した。また、大きさが不揃いのフリーズドライいちごにチョコレートをかけたお菓子のシリーズに、宇治抹茶味が新たにラインナップに加わり人気をさらった。さらに耐熱性の高いシリコーン素材でできたキッチン用品も好評で、シリコーン調理スプーンなどが支持を集めた。

脇の縫い目をなくしたシリーズの衣料品は、着心地などを追及して商品を改良の過程でヒットにつながった一方、不揃いのチョコがけいちごやシリコーのキッチン用品は、テレビで取り上げられたことによる宣伝効果が働いた。

全国に店舗網があり、リーズナブルな価格で商品を提供する無印良品は、テレビの視聴者にとっても身近な存在で、番組の制作サイドもネタとして重宝するのだ。こうして、シーズンごとにヒット商品が登場する強みが良品計画の業績を下支えする。

アパレル不況知らず

百貨店が主力ともいえる婦人服などのアパレル不振にあえぐなか、良品計画は、衣服のセグメントでも着実に結果を残している。17年2月期第3四半期決算では、衣服雑貨部門で最大の売り上げを誇る婦人ウェアは、ウールシルクやオーガニックコットンフランネル素材のニットやシャツが好評で、前期比で3.5%増と堅調に推移。紳士ウェアも6.8%増と百貨店とは対照的な姿となった。

個人消費が伸び悩み、消費者に節約志向が広まる中、シンプルなデザインで機能的かつリーズナブルな価格帯の衣料品は、節約マインドを緩め、無理のない範囲の消費でお洒落を楽しむことができ、時代にマッチした戦略と言えるだろう。

海外でもMUJIファン増加

国内に423店舗(16年11月時点)を構える無印良品は、海外にも積極的に進出し、グループ全体の約3割の売上を占めるほどになっている。海外旅行先でMUJIと書かれた店舗を目にした人もいるだろう。海外部門では、営業収益が中国で前年同期比10.5%増、韓国が同22.4%増、マレーシアが同22.4%増と成長に勢いがみられたが、国民投票でEU離脱を決めたイギリスは、ポンド安が進行したことから円換算での営業収益は伸び悩むなどし、欧州地域事業は11億4700万円の赤字となった。また、ヨーロッパ店舗で、改装に伴う閉店期間の一時費用がかさんだことも響いた。

海外への進出により、無印良品の認知度がアップしたことで、訪日外国人が日本国内の店舗で買い物をするインバウンドにも効果をもたらしている。

さらに、16年5月から一般物品の免税対象の最低購入金額が10000円超から5000円以上に引き下げられたことで、客単価減少のマイナスの側面もあった一方、免税対象客は大きく伸びた。当初に免税を導入した無印良品の39店舗では、15年と16年の第2四半期決算時で比較すると、免税を利用した客は約5万人から9万人まで拡大。この増加により、客単価の落ち込みをカバーし、免税対象客による売り上げアップにつなげた。

次々に生まれるヒット商品、小売業で吹き荒れるアパレル不況とは無縁の衣料品販売の好調、海外での無印良品ファンの増加が良品計画の好調な業績を支えている。その快進撃がどこまで続くか、その動向から目が離せそうにない。(ZUU online 編集部)

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