日本人クリエイター,ジュエリーブランド
(写真=プレミアムジャパン)

国内外で活躍する気鋭のジュエリーブランドが一堂に会する展示販売会「New Jewelry 2016」が、去年の12月2、3、4日の3日間に渡って3331 Arts Chiyodaで開催されました。様々な素材や技法を使った個性豊かな72のブランドのなかから、注目の日本人クリエイターによる6ブランドを2回に渡ってご紹介しています。【 前回の記事はこちらから

前回に続いて“見たら欲しくなる” 美しいジュエリー 3ブランドをご覧ください。

④ Lissita (リシータ)

(写真=プレミアムジャパン)
(写真=プレミアムジャパン)

伝統とひらめきのマリアージュが生む奇跡

日本古来の和紙を使って、華やかなジュエリーを生み出すLissita(リシータ)。ブランド名の由来は、デザイナーの長野リサさんがスペインに住んでいた頃のニックネーム。

長い海外生活の影響で日本を外からみつめ直すことで、日本の伝統や文化の面白さに改めて惹かれていったそう。和紙を使ったジュエリーを製作するきっかけとなったのは、大切な友人からオーダーされた結婚式の髪飾り。2人のなれそめに由来する美しい気仙沼の朝焼けを表現するため、様々な素材で実験を繰り返した結果、自ら梳いた和紙にたどりついたのだとか。

樹脂でコーティングされた色鮮やかな和紙は、軽く、強度があり、光によってやわらかに表情を変え、まさにイメージにぴったり。それからは和紙職人の工房を訪ね歩き、その魅力にどんどん引きこまれていったそう。書家とのコラボレーションや藍染めの和紙を使用するなど、“和紙ジュエリー”という新しい世界は、どんどん広がりを見せています。

写真(上)/ 「Indigo」シリーズ(写真=プレミアムジャパン)
写真(上)/ 「Indigo」シリーズ(写真=プレミアムジャパン)

気仙沼の藍工房「OCEAN BLUE」の和紙を使った「Indigo」シリーズは、深く澄んだ色合いが魅力。大ぶりで存在感のあるリングは、樹脂を支える立て爪のデザインもモダンなデザインです。

写真(上)/ 「墨sumi」シリーズ(写真=プレミアムジャパン)
写真(上)/ 「墨sumi」シリーズ(写真=プレミアムジャパン)

100年以上経つアンティークの和紙や墨を使った「墨sumi」シリーズ。繊細な滲みが味となったシックな逸品は、書家の神野奈津子さんとのコラボレーション。

写真(上)/ 「Botanical」シリーズ(写真=プレミアムジャパン)
写真(上)/ 「Botanical」シリーズ(写真=プレミアムジャパン)

手染めの和紙で作った色鮮やかな花に天然石やチェーンを合わせた「Botanical」シリーズのピアスやイヤリング。耳元で軽やかに揺れて横顔を華やかに彩ります。

(写真=プレミアムジャパン)
(写真=プレミアムジャパン)

まるで砂糖菓子のように美味しそうなリングは、和紙で作られた鉱物。ニュアンスのあるやさしい色は和紙ならでは。眺めていると、吸い込まれそうになる美しさです。

■お問い合わせ
Lissita
http://lissita.jp/

⑤KINARIYA(キナリヤ)

(写真=プレミアムジャパン)
(写真=プレミアムジャパン)

生成りの布から生まれる、やさしく美しいカタチ

染色や加工などを一切していない、まっさらな綿製の生地、シーチング。服作りでは試作段階である仮縫いに使われるため、その多くは日の目を見ることなく捨てられてしまいます。そんなシーチングのやさしい色や素朴な風合い、カタチにした時の美しさに惹かれ、アクセサリーや雑貨を製作するのがKINARIYA(キナリヤ)。

アパレルブランドでパタンナーとして活躍した須田淳一郎さんと、同じくデザイナーとしてキャリアを積んだ理砂さんの夫妻が、2014年にスタートしたブランドです。

写真(上)/ 幾何学的なフォルムのピアスやイヤリングは、大ぶりでありながら軽く、着け心地も抜群。左下のイヤリングはフープパーツを取り外したり、前後リバーシブルで着けたりと4ウェイで楽しめます。(写真=プレミアムジャパン)
写真(上)/ 幾何学的なフォルムのピアスやイヤリングは、大ぶりでありながら軽く、着け心地も抜群。左下のイヤリングはフープパーツを取り外したり、前後リバーシブルで着けたりと4ウェイで楽しめます。(写真=プレミアムジャパン)

コンセプトは「natural×mode」。シーチング以外にもウッドや刺繍糸など、ナチュラルな素材を多用していますが、その表現は極めてシャープかつモダン。そんな素材とフォルムの生むコントラストもKINARIYAの魅力です。

「生地を使ったアクセサリーは、一般的には馴染みのないもの。一歩間違えればマニアックなデザインにもなりかねないので、魅力が伝わりやすいものに落とし込むためにいつも難しさを感じています」。そう語る淳一郎さん。

写真(上)/ ピアスの三角形のモチーフとネックレスの半円のモチーフに、シルバーの箔プリントをのせたシーチングを使用。生地ならではの風合いとメタリックな輝きが、ユニークな表情を生みます。(写真=プレミアムジャパン)
写真(上)/ ピアスの三角形のモチーフとネックレスの半円のモチーフに、シルバーの箔プリントをのせたシーチングを使用。生地ならではの風合いとメタリックな輝きが、ユニークな表情を生みます。(写真=プレミアムジャパン)

シーチングにメタリックな箔プリントを施したり、カラーブロックを刺繍で表現したり……。アパレル出身の2人ならではのアプローチから生まれるKINARIYAのアクセサリーには、既存の枠組みにとらわれない新しい感性と、いつもの装いにそっと寄り添う温もりが同居。これからも目が離せません。

■お問い合わせ
KINARIYA
http://www.kinariya.jp/

⑥Lamie(ラミエ)

(写真=プレミアムジャパン)
(写真=プレミアムジャパン)

光の放つ刹那の輝きを永遠に留めたジュエリー

強く、儚く、まばゆい光が放つシルエット。誰もが目にしことはあるけれど、決して手に入れられないその一瞬のきらめきをジュエリーとして描き出したのが、Lamie(ラミエ)の代表作「spark」です。

シルバーや真鍮で作られた大胆かつ立体的なフォルムは、まるでオブジェか抽象彫刻のよう。線の広がりに規則性がなく大きさも少し不揃いなのは、デザイナーである中村恵美さんが全てのアイテムを手作業で製作しているから。放射状に広がる光線は見る角度によって表情を変え、身に着ける人を輝かせます。

パールのキャッチと前後リバーシブルで使えるピアスや、フォルムや用途が自在に変わり、リングやネックレスになるブレスレットなど、2ウェイ、3ウェイのアイテムも多く、感覚的なようでいて実は計算されたデザインであることがわかります。

写真(上)/ 「spark」シリーズ(写真=プレミアムジャパン)
写真(上)/ 「spark」シリーズ(写真=プレミアムジャパン)

ランダムに淡水パールをあしらったイヤリングから、ネックレスやリングなど、様々なアイテムに派生した「spark」シリーズ。ふたつとして同じフォルムがないところも、表現している光の特性そのものです。

写真(上)/ 「Down spark」シリーズ(写真=プレミアムジャパン)
写真(上)/ 「Down spark」シリーズ(写真=プレミアムジャパン)

流れる光のシルエットをイメージした「Down spark」シリーズは、よりシャープな印象。パールのキャッチを前にして、耳の後ろからのぞかせても。

(写真=プレミアムジャパン)
(写真=プレミアムジャパン)

やわらかに波打つフリルをシルバーで表現した「raffle」のイヤリングと「spark」のピアスを重ねづけ。フォルムの違い妙を楽しめるスタイリング。

■お問い合わせ
Lamie
http://www.lamie-lamie.com/

注目のクリエイターによる個性豊かなジュエリーはいかがだったでしょうか?

2回に渡ってご紹介したジュエリーは素材や技法が違えども、身に付ける人たちをより美しく見せるために作り手の様々な思いが込められていました。

きっと特別な日も、何気ない日も美しいジュエリーがあなたの気持ちを華やかにしてくれるはずです。

文/大塚綾子(提供: プレミアムジャパン )

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