優勝国と株価の関係

実はワールドカップの年には株価が上昇しやすいとも投資の世界では言われています。ゴールドマン ・サックス・グループも、過去の大会の分析結果から、優勝国の株価は決勝戦後の数週間に高くなるとレポートしています。(ただしこの分析結果では、3か月後にはこの効果はすっかり薄れてしまうのに加え、前年比でみると逆に約7%ほど下落してしまうので注意が必要です。)まさに投資の世界も短期決戦のデータになりますが、優勝国を的確に狙い、決勝後の好機を逃さず動くならかなり高確率でリターンの見込める分析結果ともいえます。このようなレポートを公開しているゴールドマン ・サックス・グループが予想する優勝国の筆頭は48.5%でブラジルが1位、続いて14.1%でアルゼンチン、11.4%でドイツとなっています。

この予想は、1960年以降に行われた約1万4000の国際試合を分析した統計モデルを基にしています。しかしウオールストリートジャーナルによると、6月末時点でゴールドマン ・サックス・グループが下す予想の的中率は36.11%にとどまっているといいます。世界の金融市場を動かす大手企業の分析をもってしても、まだまだ今後のワールドカップの行く末ははっきりとしないのが実情のようです。その中でもあえてこの予想に沿って、今後の株価動向をみていきますと、もしもブラジルが予想通り優勝した場合は、短期的にしろ株価の上昇が見込まれますからブラジル株式市場、ボベスパ指数にも注意しておきましょう。


ワールドカップ敗退と株価の動き

さていよいよ決勝リーグへと突入するワールドカップですが、敗退により見込まれる経済損失もはじき出されています。前回優勝国のスペインの敗退もショッキングでしたが、その経済的損失は6億ユーロ(約830億円)と言われています。さらにイギリスも56年ぶりのGリーグ敗退によって今後株価の下落を含め、大きな損失を計上すると言われています。これまでの統計によると、今回は10%の株価の下落も予想されているそうです。

日本に関しては逆に、これまでの分析結果によるとGリーグ突破の年よりも、Gリーグ敗退の方が株価は高くなる傾向にあります。ワールドカップ開催年の日経平均最高値をみてみると、1998年は1万7264円34銭(GL敗退)、2002年は1万1161円71銭(ベスト16)、2006年は1万7563円37銭(GL敗退)、2010年は1万1339円30銭(ベスト16)となっています。今年敗退してしまった日本はむしろ株価の上昇が見込める!?というのはさておき、実際のところ日経平均は6月に入り1万5000円台を回復し、敗退してしまった今現在もその水準を維持しています。年末までに1万7500円を付けるだろうと予測するアナリストもいる中、日本への投資はむしろ楽観的に構えててもいいのかどうかというところですが、冒頭にあげたサッカーワールドカップ関連銘柄にも注意を払っておきたいところです。

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