資産運用を少しでも学んだことがある方であれば、「複利」というコトバを耳にしたことはあるだろう。突然の質問だが「手元資金1,000万円を10年で2倍に増やすために必要な運用利回りは?」と聞かれて直ぐに答えられるだろうか。複利の計算が複雑なため直ぐに回答出来る方は少ないと思われるが、マネー賢者は直ぐに答えられる。
彼らが決して特別なわけではなく、ある法則を知っているだけだ。それが今回紹介する「72の法則」だ。手元の金額はいくらでも良い。これを知ることにより、手元の資金を「2倍にするために必要な期間 (年) 」を簡単に計算出来るのだ。
難しい法則ではない「72の法則」
「72の法則」は、資産を倍にするために必要な年数を計算するために、72を予定運用利回りで割るだけである。それだけで資産を倍にするために必要な年数がでてくる。計算式で表すと以下のようになる。
【72の法則】
「72÷金利≒お金が2倍になる期間 (年) 」※近似値
たとえば、
1%で運用:72÷1=72 約72年必要
2%で運用:72÷2=36 約36年必要
3%で運用:72÷3=24 約24年必要
4%で運用:72÷4=18 約18年必要
5%で運用:72÷5≒14 約14年必要
6%で運用:72÷6=12 約12年必要
7%で運用:72÷7≒10 約10年必要
8%で運用:72÷8=9 約9年必要
9%で運用:72÷9=8 約8年必要
10%で運用:72÷10≒7 約7年必要
逆に、ある年数で運用資産を倍にするのに必要な運用利回りを知りたいなら、72をその年数で割るだけだ。
冒頭の質問に戻ってみよう。10年で倍にしたいのだから、「72÷10≒7%」。今の運用資金を10年で倍にするためには、複利なら年間約7%の運用利回りが必要ということがわかる。
72の法則のほかに「100の法則」「115の法則」もある
「72の法則」のほかに、「100の法則」と「115の法則」も紹介しよう。
「100の法則」とは、「単利」で資産が倍になるために必要な年数を求めることができる。100を運用利回りで割ると単利で倍になる時間がわかる。計算式は以下の通り。
【100の法則】
「100÷金利≒お金が2倍になる期間 (年) 」※近似値
「72の法則」では、10年で倍にするために必要な運用利回りは7%だとわかったが、「100の法則」ではどうだろうか。上記の式を当てはめると「100÷7≒14」となり、資産を2倍にするためには14年が必要ということが分かる。実に複利とは4年も差が付いてしまうわけだ。
「72の法則」と「100の法則」を使用することで、複利の効果の凄さを改めて感じて頂けただろう。
続いて、「115の法則」は、複利で資産が「3倍」になるのに必要な運用利回りを求めることができる。
【115の法則】
「100÷金利≒お金が3倍になる期間 (年) 」※近似値
たとえば運用利回りが7%なら、「115÷7%≒16」となり、約16年で資産は3倍になる。運用利回りが5%なら、「115÷5%≒23」となり、23年で3倍になる。
「複利」と、「運用利回り1%の差」の効果を知る
上記で「72の法則」と「100の法則」をご紹介した。資産を倍にするために必要な年数を複利と単利で運用利回り別にまとめたのが以下の表だ。
3%で運用が出来たとして、複利と単利では資産を倍にするのに9年も変わってくる。また、複利で運用したとして、運用利回りが2%の場合は36年、3%の場合は24年と資産を倍にするために必要な期間に12年もの差が付く。
長期で資産を形成するためには、想定運用利回りも考えた上で、ポートフォリオを組んでいただきたい。たとえば、5%で運用できたとしても倍になるのは14年後だ。長期投資において、早く始めることが大切な事が理解できるだろう。(提供: 大和ネクスト銀行 )
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